失着点・龍界編 20


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「…警察に行くぞ。今度こそ…。」
感情を抑えた静かな口調程に緒方の怒りの激しさが示されていた。
「…それはできない…」
「どうしてだ」
「オレの友だちが…同じ中学の…そいつが…」
「いいから詳しく話せ。」
ヒカルは恐怖感に歯を食いしばり、つまりながらも夕べのあらましを緒方に
話した。途中で緒方はタバコを握りつぶし、話の続きを促す。ようやく解放
されてその後で事故に遭ったところまで話し、ヒカルは息をついた。
「…オレ、もう…アキラに会えない…」
「何故そう思う」
「だって…知らない奴のを口で…オレ…汚い…」
緒方がヒカルの顎を優しく持ち上げ、顔を寄せて来る。
「だ、ダメだよ、緒方先生…!」
ヒカルは緒方の意図を察して緒方の手から逃れようとする。
「お前は汚れてなんかいないよ」
緒方の唇がヒカルの唇を塞ぎ、ゆっくりと舌で中を辿る。
拒絶の反応を示していたヒカルも直ぐに体の力を抜き、緒方の
行為を受け入れる。
好きとか、そういう感情とは違う。アキラと交わすものとは異質の、
ただただ親愛のような、強くて深く温かいものを唇を通して
ヒカルは緒方から感じ、受け取っていた。



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