ルームサービス 20 - 23


(20)
(進藤、ホラ、たてる)
(や・・・・うごかな・・・オレもう・・・・)
(体あらうから。・・・)
(つれてって・・・・)
(犬、お前は部屋掃除しろ)

(・・・みずが・・・んっ)
(でもあらって欲しいんだろう?)
(・・・・)

シャワーの湯が進藤の金色の前髪を濡らし、涙とまじわり、落ちてゆく。
石鹸をつけて体中を這い回るアキラの手に身をゆだね、ときおり、敏感
なところに水流があたり体を震わせる。
淫らな情景だった。


(21)
それはジムのプールでの出来事だった。
地方で仕事があり、ヒカルが一緒だった。一日、二人で帰るのを伸ばして、
ホテルの付属のジムのプールで泳ごうということになった。
やはり仕事だった緒方がそこにいたのは偶然だった。
いやな気分がしたが、とりあえず、ヒカルが出てくるまでにひとおよぎ
しようかなと思ってはおっていたシャツを脱いだ。
だが、突然緒方が言ったのだ。
「アキラ君、そのシャツは脱がない方がいいと思うが」
「・・・なんですか突然、緒方さん」
不審な顔をして聞き返したアキラに緒方はなんともいえない表情をした。
「・・・シャツ着たままじゃプールに入れません」
緒方が苦笑する。
「いくら強くてもやっぱり子供は無分別だな。・・・・・背中、痛くないのか?」
「背中・・・・?」
緒方が面白そうに読んでた新聞を顔に寄せた時ヒカルの声が明るく響いた。
「まったかあ。わりいな、塔矢、アレエっ緒方センセ?」
緒方は挨拶をしながらヒカルの水着1枚の体をつくづくと眺めた。
「進藤、お前、全然虫さされのあととかないな」
「虫さされ?ああ、オレあんま虫にさされないんだ、蚊ってさ
とまった瞬間わかるじゃん、みんなわかんないっていうけど、
なんでかなぁ?」
「ほお」


(22)
「それに肌丈夫みたい、ケガとかしてもあんまりあとに
なったことない」
「なるほどお」
「あ、ジャグジー、オレ先にジャグジーはいろっと」
子供のように走っていったヒカルを見送って緒方がつぶやいた。
「まあいろいろと大変なこったな」
「だからナニが言いたいんですか、緒方さん?」
「アキラ君の背中には思い切り爪のあとが残ってるんだよ」


(23)
浴室の床にだらりと投げ出されたヒカルの両腕と、両足に
はかなり強く拘束具の線が残ってしまっている。
「塔・・・矢」
顔に手をよせようとするが痺れて力が入らないようだ、次の手合いまで
に石が持てるようになるかどうか少し不安になったが、そんなことはとり
こし苦労にすぎないと苦笑した。
ヒカルの肌は跡を残さない。
何者も進藤ヒカルを侵すことはできない。

肩をひくつかせて笑う緒方をアキラは睨むしかなかった。
「昨日か、おとといか?」
アキラは憮然として答えない。緒方には二人の関係はバレていた。
「昨日ですよ」
緒方はが笑うのをやめ、ジャグジーの中ではしゃぐヒカルに目をやる。
「へえ、一晩で跡が消えたのか」
アキラは言われて初めて気が付いた、そうだ、アキラの背中にヒカルの
爪の跡が残ったように、アキラもヒカルの体に散々跡をつけた。
なのにそれが、さっき見た限りでは残ってなかった。
「それで、蚊がとまった瞬間にわかるぐらいに敏感とね・・」
「ナニがいいたいんですか、緒方さん」
「壮絶だな」
「ナニが」
「見てみろよ」
緒方が顎でジャグジーを示す。
ニコニコと笑いながら、いろんなつかり方を試しているヒカル。
アキラと目が会うと、楽しそうに手を振った。



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