平安幻想異聞録-異聞- 206


(206)
いつのまにか、ヒカルは自分から求めるように、体を男の下肢に押し付けて
いた。
肌を火照らせながらも、与えられない決定的な何かに、今にも泣きそうな顔で
男を見上げるヒカルの膝からカクンと力が抜けた。
その場にくずれるように座り込んでしまう。
男が音もさせずに、自らの腰の革帯をほどき、胴着の前をくつろげると、
ヒカルは自発的に男の袴に手を伸ばし、帯をほどいて、半立ちになっている
男の淫物を取りだした。
自然な動きで口を寄せ、やがて、自分の中に押し入れられるのだろうそれを
舌で愛撫する。
男が腰をかがめた。そのままヒカルの顔と同じ高さに自分の顔をもってきて、
口付ける。ヒカルは抵抗もなくそれを受け入れた。
熱っぽく潤むヒカルの視界に、自分に覆いかぶさる男の広い肩が見えた。
力強い腕に背と臀部を支えられながら、押し倒されたのがわかった。
男がヒカルの夜着を脱がせた。
背中に当たった夜の空気にさらされた床の冷たさが、意識の隙間に入り込み、
それが幽かにヒカルの正気を呼び戻した。
自分の状況に気付き、ヒカルは慌てて自分の体にまわされた腕をほどこうとする。
男は笑っている。
これは魔物。淫の気を喰らう魔物だ。
さらに抵抗しようとしたヒカルは、何か別の者に手をとられた。驚いて頭の
上の方を見た。
そこには鬼が1匹はいつくばって、ヒカルの手を、床に押さえつけていた。



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