平安幻想異聞録-異聞- 209


(209)
佐為はさんざんにそこの襞を舌で舐め、指でいじってくつろげて受け入れる
用意を整えさせると、和らいだ門扉に固いものを押し当てた。
そして、それが中に押し込まれる感触に、ヒカルは怖気がして目が覚めた。
――これは、佐為じゃない。
それどころか、人のものでもない。
今、ヒカルの中に入って来ようとしているこれは、形状こそ佐為に似せて
いるものの、ぬるくてねっとりとしていて、よそよそしくて、うどん粉を
その形に固めたものを中に押し込まれたような感触しかない。
「……くっ…!」
幻惑されていた感覚が戻ってくるとすぐに、自分を貫く男が佐為ではなく、
あの淫の魔性の者なのだということが理解できた。
咄嗟に、自分の腕を戒める鬼の手に逆らい、反抗を試みたが、床に
縫い付らけれた上体はビクともせず、下肢は今しも、人でないものに
犯されようとしていた。
慌てて足を閉じようとしたが、男の姿をした魔物は肩に上がったヒカルの足を
強い力で抱えてそれを阻止する。
男の指がふくらはぎに食い込んでいた。
そのまま魔物の陰物がヒカルの中に飲み込まれる。
ヒカルが小さく呻いた。
一度開かれてしまった心と体は、それに逆らえなかった。
佐為の形状に形を似せた魔物のそれが、中の壁を確かめて叩く感触に、
体が先を求めて小さく震えた



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