平安幻想異聞録-異聞- 209 - 210


(209)
佐為はさんざんにそこの襞を舌で舐め、指でいじってくつろげて受け入れる
用意を整えさせると、和らいだ門扉に固いものを押し当てた。
そして、それが中に押し込まれる感触に、ヒカルは怖気がして目が覚めた。
――これは、佐為じゃない。
それどころか、人のものでもない。
今、ヒカルの中に入って来ようとしているこれは、形状こそ佐為に似せて
いるものの、ぬるくてねっとりとしていて、よそよそしくて、うどん粉を
その形に固めたものを中に押し込まれたような感触しかない。
「……くっ…!」
幻惑されていた感覚が戻ってくるとすぐに、自分を貫く男が佐為ではなく、
あの淫の魔性の者なのだということが理解できた。
咄嗟に、自分の腕を戒める鬼の手に逆らい、反抗を試みたが、床に
縫い付らけれた上体はビクともせず、下肢は今しも、人でないものに
犯されようとしていた。
慌てて足を閉じようとしたが、男の姿をした魔物は肩に上がったヒカルの足を
強い力で抱えてそれを阻止する。
男の指がふくらはぎに食い込んでいた。
そのまま魔物の陰物がヒカルの中に飲み込まれる。
ヒカルが小さく呻いた。
一度開かれてしまった心と体は、それに逆らえなかった。
佐為の形状に形を似せた魔物のそれが、中の壁を確かめて叩く感触に、
体が先を求めて小さく震えた


(210)
涙が出てきた。快楽のためでもなければ、恐怖の為でもない。
悔しさのための涙だった。悔しくて悔しくてしょうがない。そんな風に、
自分の心の中に侵入して佐為のことまで穢されるのはたまらなかった。
佐為のはこんなのじゃない。ヒカルの内壁にピタリと吸い付くように
丁度いい大きさや形は似ていたが、本当の佐為のそれは、熱くて、
ヒカルの中にいるときは普段のかの人の穏やかさからは想像も出来ないほど
猛く脈打って、ヒカルの体も、そして心も一杯にしてしまうのだ。
魔物がヒカルの思考を現実に引き戻すように体をゆする。無慈悲に
律動を始める。
同時に、手で肌をまさぐりつつ、そのヘソの中まで舌を差し込んで
舐めて愛撫する。
彼はもはや、佐為の幻影を見せてヒカルの心に隙を作ろうなどという
周りくどいことはしなくなった。体さえ飛び越して、頭の一番奥の部分に、
直接快楽を流し込んできた。
「あぁぁ、あぁぁっ、あぁぁっ」
魔物に中と外からを責められて、ヒカルが大きな声を上げて身悶える。
その上、魔物はもっとよい声を聞かせろと、その痴態を楽しませろとでも
言うように、ヒカルが達しそうになると、その中の責め手をゆるめて
しまうのだ。そして、しばらくすると再び激しくヒカルのいい場所をこすり、
腰ごと揺すりたてる。
「やだ、…っ、お願い、イカせて、イカせて………っっ、あぁっ」
残酷なまでに上手い手管だった。
人であったら、絶えきれず既にヒカルの中に2度3度と放って
終わってしまっているところであったが、淫の妖しゆえに、
そちらの楽しみ方、人の身の神経の扱いもこの魔物は極めているのか、
ヒカルは快楽の岸辺でいいように玩ばれる。
「あぁぁっ、あぁっ…はぁん……ぁ……ぁああっ、ぁああっ」
憑かれたように途切れなく喘ぎ、啜り泣きつづける
閉じることの出来ないヒカルの口に、人の腕ほどもある太い何かが
押し込まれた。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル