りぼん 21
(21)
気付くと、塔矢の腕のなかでオレは寝てた。二人で一緒の毛布にくるまってる。
あーあ、腰が痛い。オレってバカだ……。
ちょっと自分の身体を見てみて、ため息がでた。
リボンの痕が残ってる。冬だからまだいいけど、消えるのにどれくらいかかるんだろ。
待てよ、首にも残ってるだろうな。うわ、親にどうごまかしたらいいんだ。
ずっと前に塔矢は“オレ限定のヘンタイだ”って言ったことあるけど、カンベンしてほしい。
とりあえず鏡でチェックしよう。
起き上がろうとして、手がぴんっと引っ張られた。
……腕にまたリボンがまかれてるよ。しかもパールピンクの。
そのはしを塔矢がしっかり握りしめてる。
寝顔をみながら、ふと思った。
塔矢はこうやってオレをさ、つなぎとめていたいんじゃないか、って。
いや、それどころか縛っておきたいのかもしれない。
ホント、塔矢は頭が悪い。
そんなことしなくたって、オレはとっくに塔矢につながれてるし、縛られてるのに。
もっとオレに好かれてるって自信を持てよ。
まあ、それはオレもそう感じさせるように、努力しなくちゃいけないのかもしんないけど。
ピンクのリボンを見て、オレはまた毛布のなかにもぐりこんだ。
こんなので安心するなら、いくらでも結びつければいいよ、塔矢。
いつか、こんなのをいらないって思えるようになるまで……ううん、思えるようになっても
オレはずっとオマエのそばにいるからさ。
あと、来年は誕生日を覚えてて、ちゃんと祝ってやるからな。
とりあえずは。
「塔矢、16歳の誕生日、おめでとう」
―――終わり―――
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