○○アタリ道場○○ 21
(21)
(2)
しばらく研究会は続くと、どこからとなく芋の焼けるイイ匂いがしてきました。
辺りを探ると、お母さんが庭の落ち葉などを集めて火をつけて芋を焼き、
「皆さん、少し手を休めてはいかが。お茶にしましょう」
などと、ノー天気な提案をしました。
「はいはいはああ〜い! そうしましょったら、そーしましょ! 」
さっそく芦原さんが、金ちゃん走りで焚き火のそばに一番乗りで行きました。
他の門下生達も席を離れるので、仕方なくボクも付き合う事にしました。
焼き芋はほど良く焼けていて、ホクホクして美味しいです。
うーん、芋は金時が最高ですねえ。
―――!
なぜかどこからともなく魚が焼ける匂いもします。気のせいでしょうか?
いえ、気のせいじゃなく確かにこの匂いは焼き魚です。
はうっ!?
いつの間にか木の枝に刺されたシシャモが焚火に当てられ、じゅ〜と香ばしい
音をたてながらイイ焼き具合になっています。
そのシシャモを手にしたのは・・・・・・あああ・・・・・・緒方さんでした。
田舎のお母さんが送ってくれたシシャモを、なんでボクの家の庭でわざわざ
焼くんですかっ!?
ったく、いいかげんにしてください!
ははうっ!?
こっ、今度は緒方さんの横で芦原さんが餅を鉄串にさして焼いてます。
どこから餅を持ってきたんですかあああっ?
|