クチナハ 〜平安陰陽師賀茂明淫妖物語〜 21


(21)
「あぁ、あの方か」
「光も知ってる?最近評判だもんね!その一の宮様がね、帰りがけに女房の局にも
訪ねて見えて、指導碁をしたり護符を分けて下さったりしたんだよ」
「その一の宮様ってのも碁を打つのか?ってか、何で宮様が護符なんてくれるんだよ。
陰陽師や法師でもねェのに」
「もうっ光、本当に一の宮様のこと知ってるの?あの方はね――」

あかりが説明を始めようとした時、空からあの小鳥が急かすように高く鳴いた。
――そうだった、こうしちゃいられねェ。
「あかり、ごめんな。その話は今度聞くよ。オレ、賀茂のとこに行かなきゃ」
「う、うん、そうだったね。とにかくこの護符は持って行ってよ。
冷え性が治ったとか恋人が出来たとか、今女房たちの間ですっごく評判なんだから」
「ありがとな、ちゃんと賀茂に渡すよ。じゃ、なせの君や佐為にもよろしく!」
「気をつけてね。明様にもよろしくねーっ」
小鳥の後を追って駆け出した光に、あかりが後ろから声を掛け手を振った。



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