白と黒の宴2 21


(21)
「ぐっ…っ、」
唸り声をあげて骨が折れそうになるくらい社がアキラの体を抱きしめ、アキラの唇を塞ぐ。
次の瞬間、今度はほぼ同時に二人は到達した。
互いに相手の脈動を感じながら全身を汗を滴らせ、荒い呼吸を繰り返す。
その間も社はアキラの唇を何度も愛おしげに吸い、アキラの頬を両手で包むと、社は
しばらくそのままアキラの顔を見つめてきた。
まただ、とアキラは思った。
獣のような荒々しい鋭い目付きとは別に、社には時折こうして慈しむような淋しげな瞳を見せる。
その目で軽く数回触れあわせる程度のキスをし、社はアキラの体をそっと抱きすくめ、髪を指で梳いた。
そうして行為の余熱が静まっていくまで二人は動かなかった。
「…うない…。」
小さな声で社が呟いた気がした。社は体を起こすともう一度アキラの顔を見つめて、言った。
「…あいつに…お前を渡しとうない…」
アキラは黙ったままだった。社が指しているのがヒカルの事なのか、そうでないのか分からなかった。
すると社はフッと笑った。
「…なんてな。まあ、今夜はこれくらいでガマンしとこ。」
そう言って社はベッドから下りるとアキラを抱きかかえるようにして浴室に連れていき、
シャワーのコックを捻った。
体を流す間にも何度となくアキラと唇を重ね合わせる。
アキラが何の感情も好意も自分に向けていなくても構わないという感じだった。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル