sai包囲網・中一の夏編 21


(21)
 こくんと微かに頷くのを確認して、進藤の手や指を傷つけないように
巻き付いたセロテープを切って剥がす。パリパリっという音に、進藤が
痛ってと小さく悲鳴を上げる。暴れた拍子にテープが食い込んで、手首
に赤い紐状の痣が残っていた。
 ボクが、進藤に、つけた印だ・・・。
 思わずくすりと笑いが漏れて、進藤はぎょっとしたように振り返った。
痛む手首をさすりながら、こちらを見上げている。
「塔矢?」
「じゃあ、続きをしようか?」
「つ、続きって!?止めてくれたんじゃないのかよ」
 キッと、こちらを睨みつけて来る大きな瞳に、ぞくぞくする。
「やめるなんて一言も言ってないけど?」
「そんな・・・」
「あのままじゃやり難いから切っただけだよ。キミもボクも初めてなん
だしね。それとも、saiと打たせてくれる気になった?」
「それは・・・」
「それは?」
 こくんと、まだ何の膨らみもないなだらかな喉が動く。
「それは、できない」
 分かった。それが、キミの答えなら、何の遠慮もいらないだろう。
 細い手首を捕まえて、もう一度背もたれへと押しつける。何とか押し
返そうと進藤は暴れたけれど、射精の倦怠感と下肢に残る痛みのせいで
その動きは鈍かった。
 大きく開いた白い脚、その間に身体を入れ、赤みの残る場所に猛った
ままの自身を捻り込んだ。
「やっ、いやぁぁぁ!!」



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