スノウ・ライト 舞台裏


(21)

「塔矢、おまえが取り乱すから、舞台がめちゃくちゃになっちゃったじゃないか」
「緒方さんが悪いんだ。なぜ勝手に台詞を変えたのです?」
「アキラくん、俺が台本どおりにセリフを言う男だとでも思ってたのかい?」
「……もうあっちに行ってください!」
「やれやれ。わかったよ」
「おい塔矢、緒方先生にあんな口をきいたらまずいんじゃないの」
「……進藤、今からお城に行こう」
「は? 城?」
「そうだ。壁は鏡張りで、ベッドは回転し、様々な色をしたライトが部屋を照らすんだ。
 プールもあるし、楽しい玩具もある。どうだ、進藤」
「でもみんなで打ち上げがあるし」
「……わかった……」
「わぁっ! 何すんだよ、おろせ!」
「きみがそのつもりならボクも――――」
「やめろよっ、塔矢! んんっ、あぁっ……」



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