21
(21) 男のセリフに、アキラはグッと言葉を詰まらせた。 ――ここでボクが下手なことをしたら、進藤はもっと酷い目に遭うに違いない。 アキラは悲痛な面持ちで、しばらく黙り込んだ後、 「…分かった。ボクをどうとでも好きにすればいい。だが進藤は…進藤だけは帰してやってくれ!」