初めての体験 21 - 24


(21)
 ヒカルが篠田に跨った。
「・・・し・・・ん・・・ど・・・く・・・ん・・・」
 篠田はヒカルを苦しげに見つめた。
 ヒカルは篠田に笑いかけて囁いた。
「先生・・・すぐ・・・すぐに気持ちよくしてあげるから・・・ね・・・」
そして、篠田自身を持って位置を確かめると、そのまま腰を沈めた。
「うん・・・あぁ!せん・・・せ・・・どう・・・?」
 ヒカルが動くたびに、今まで経験したことがないような快感が押し寄せてくる。
「せんせ・・・いぃ・・・ああ・・・ん・・・くふ・・・」
篠田の頭の中は真っ白になった。
 
 
 
 「あれ?進藤。この篠田先生って誰?」
ヒカルのシステム手帳をめくりながらアキラが訊ねた。
「ああ。塔矢は知らないんだ?棋院の院生師範。」
「ああ・・・。それでいつもと違うページに書いてあるんだ。」
「さすがだよ。一筋縄じゃいかねーんだぜ。でも、おかげで新しい手を
 思いついたけどね。」

 篠田先生・・・指導力はピカイチ!現役時代に対局したかった。・・・おしい。

 ヒカルはクスクスと思い出し笑いをした。日曜日のことを思い出したのだ。
そんなヒカルを見て、アキラは複雑だった。ヒカルが楽しそうに、院生時代を思い出しているように見えたからだ。
 アキラは、院生時代のヒカルをよく知らなかった。ヒカルと思い出を共有できないことを悲しく思い、ぽつりと呟いた。
「ボクも院生だったら・・・進藤と一緒に指導してもらっていたのかな?」
「かもな。そしたらもっと早く塔矢と・・・」
 ヒカルは上目遣いにアキラを見つめて言った。そして、自分の指をアキラの指に絡ませて、アキラの唇にチュッと軽くキスをした。
 そのあまりの可愛らしさに、アキラはたまらずヒカルを押し倒した。

<終>


(22)
 「せっかく訪ねてくれたのにすまないな。今日はアキラは出かけているのだよ。」
と、アキラの父・塔矢行洋は言った。もちろん、ヒカルはそのことを知っていた。
が、それを口に出す必要はない。そして、表面上は、いかにも残念そうに言った。
「そうですか・・・。残念です。」
ヒカルのそんな顔を見て、塔矢行洋は、
「まあ、せっかく来たんだし一局打っていきなさい。」
と、言った。ヒカルの顔がパッと明るくなった。
「はい。是非、おねがいします。」
ヒカルは笑顔で言った。行洋は苦笑しながら、言った。
「今日はあいにく、妻も出かけているのでお茶もだせないが・・・。」
「気を使わないでください。」
と、ヒカルは殊勝に答えたが、実際はそのことも、チェック済みであった。

 行洋が、ヒカルの打った手を一つずつ解説していく。ヒカルは行洋の指先を見つめながら、
真剣に耳を傾けた。
 碁笥を碁盤の上に置き、ヒカルは改めて、行洋の横に座り直して、頭を下げた。
「先生、今日は本当にありがとうございました。」
「いや、かまわないよ。また、いつでも来なさい。」
と、行洋は笑顔で答えた。行洋はヒカルに好意をいだいていた。囲碁の腕もさることながら、
明るくて、人懐っこい少年。そして、アキラの親友でもある。同じ年頃の友人のいない息子の
唯一無二ともいえる存在の少年である。気に入らないわけがなかった。
 そのお気に入りの少年が行洋を恥ずかしそうに見つめて言った。
「先生。こんなこと言ったら怒るかもしれないけど・・・。ホントはオレ、もし、
先生に勝てたら・・・先生に頼みたいことがあったんです・・・。」
「何だね?言ってみなさい。できることならかまわないよ。」
行洋は笑みを浮かべた。息子のアキラは周りに大人が多いせいか、大人びた少年だった。
ヒカルはまるで正反対、実際の年齢よりずっと幼く見えた。行洋は、この少年の頼みを聞いて
あげたくなったのだ。
「ホント?ありがとうございます!」
ヒカルは、行洋にいきなり抱きついた。


(23)
 「し、進藤君!?」
行洋が狼狽えた。ヒカルが耳元で囁いた。
「先生・・・いいでしょ?」
ヒカルが行洋の耳をかんだ。舌を耳に差し入れ、手を着物の襟元へ滑らした。
と、その手を行洋が捻り上げた。ヒカルはその痛さに顔をしかめた。行洋がヒカルの目を
見据えて静かに言った。
「大人をからかうとは悪い子だ。だが・・・これは君が仕掛けたことだからな。」
言うが早いか、ヒカルはそのまま畳の上に引き倒された。そのまま、手荒く服を
はぎ取られていく。シャツをまくり上げ、ジーパンを引きずりおろされた。
ヒカルは驚きのあまり、固まってしまった。今までは、動けなくなるのは相手の方だった。
ヒカルが潤んだ瞳で見つめ、甘い声で囁くと、大概の男は抵抗をやめ、ヒカルに屈した。
それなのに・・・!
 ヒカルは初めて、男を怖いと思った。全裸で転がされたヒカルに、行洋がゆっくりと
かぶさってきた。ヒカルは逃げようとした。が、全身でのしかかられて身動きがとれなかった。
「どうして逃げるんだ?君が望んだことだろう?」
「やだ!先生・・・ごめんなさい!・・・!」
行洋がヒカルの唇を荒々しく塞いだ。顎を強く掴み、無理矢理、口を開かせた。舌でヒカルの
口腔内を蹂躙した。顎が痛い。怖い。ヒカルの目から涙が流れた。
 こんな行洋を見たのは初めてだった。いつも穏やかでおよそ激高したことがない。
だが、行洋はアキラの父親なのだ。あのアキラの・・・。ヒカルは行洋を甘く見すぎていたことを
心底後悔した。
 泣いているヒカルを一瞥して、行洋は薄く笑った。このあたりで許してやろうか。
そうして、改めてヒカルの全身を眺めた。細い肩、それに続くなだらかな曲線、華奢な手足、
小麦色の肌。昨日つけられた痣が全身に点在している。その姿は行洋を煽った。
 「と・・・や・・・せん・・・せ?」
ヒカルが恐る恐る訊ねた。行洋は無言で、再びヒカルを押さえつけた。


(24)
 行洋の手がヒカルの体を荒々しくまさぐった。その乱暴なやり方にヒカルは喘いだ。
ヒカルは涙を流しながら、行洋に謝り続けた。
「ごめ・・・なさ・・・せん・・・せ・・・ごめ・・・」
その泣き声が行洋をますます煽る。
 行洋は自分が冷静さを失っているのを自覚していた。ヒカルの喉元に強く吸い付き、
徐々に下に移動する。行洋がヒカルの痣を辿った。アキラがつけた痣を・・・。
乳首を口に含み、舐めあげる。両の乳首を交互になぶり、弄ぶ。
「ああ!先生、やだ!」
ヒカルが身悶えた。行洋は、かまわず、そのまま続けた。涙があふれてきた。
ヒカルは歯を食いしばって耐えた。その口をこじ開けて、行洋は自分の指をつっこんだ。そうして、低い声でヒカルに命じた。
「舐めなさい。」
ヒカルは怯えながら、懸命にその指を舐めた。もう、逆らうことはできなかった。行洋の指が、ヒカルの唾液でぬらぬらと光った。
 行洋はヒカルを犬のように、四つん這いにさせた。そして、後ろに、十分に
湿らせた指を一本ずつ入れた。ヒカルの体が小刻みにふるえた。

「せん・・せい・・・ゆる・・して・・ごめ・・」
ヒカルの耳に衣擦れの音が聞こえた。堅い物があたった。ヒカルは必死で
許しを請い続けた。涙が畳の上にぽたぽたと落ちた。
 だが、行洋はヒカルの腰を強く掴むと、無情にもそのまま突き入れた。
「───────────────!!」
ヒカルが細い悲鳴を上げた。



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