平安幻想異聞録-異聞- 218


(218)
茫然としながら、手渡されたそれを見るヒカルに女が告げた。
「賀茂様からのご伝言でございます。呪は破られたり、御身は
 それで守られたし、と」
女はそれだけ言うと、十二単衣を来ているとは思えない軽やかさで
身をひるがえす。
と、思った瞬間にはそこにはすでに女の姿はなく、ただ、カササギが
一羽、つややかに漆黒の羽根を羽ばたかせ、屋根を越えて朝日の中を
西の方へと飛んで消えた。
呪は破られたとき、その呪を施した本人に、同等、あるいはそれ以上の
力となって返ってくるという。
ならば、そういう事なのだろう。
アキラと佐為はなんらかの手段で、ヒカルに掛けられた蠱毒の呪を解き、
返すことに成功したのだ。
あの、肉の蛇が、より強大な力をもって、座間と呪詛を施した陰陽師を
喰らいにくるのだ。
これは、アキラがそれを予見して、その座間のすぐそばに居る事になるだろう
ヒカルに「自分の身を守れ」と言ってくれているのだろう。



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