平安幻想異聞録-異聞- 219


(219)
「そうだな、賀茂…」
ヒカルはつぶやいた。あの肉の蛇は、座間達だけでなく、元々の標的であった
自分にも確実に向かってくるだろう。自分の足にはまだ、あの蠱毒の蛇を引き
寄せる印が刻まれたままだ。それは間違えようのない予感だった。自分は
あいつともう一度まみえ、決着をつけなくてはならない。
辺りを包む瘴気は、徐々に濃くなり、すでに重苦しいほどになっていた。
ヒカルは、その青龍の細工の施された太刀の柄を握りしめた。
懐しい感触だった。
そして、そう思った自分に驚いた。
これを持って、佐為やアキラとともに京の妖しと戦ったのは、懐しいと思うほど
昔の事ではない。たった半年前のことなのだ。
佐為とアキラに出会ったのも、たかが半年前。
なのに、それが恐ろしく遠い日の出来事がするのは何故だろう。
少し笑った。
どこかしんみりとしてしまった思考を頭を振って払い、ヒカルは
調伏刀を強く握りなおす。
――終わりにしよう。全てを。

あの竹林の夜以来、ヒカルを苛み続けた悪夢を、この白刃で断ち切るのだ。



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