白と黒の宴2 22
(22)
社はシャワーヘッドを片手にもう片方の手で丁寧にアキラの体の汚れを洗い流す。
「…北斗杯の間、オレが望んだ時にオレにつき合ってくれればいい。そうすれば
進藤には何もせん。」
「…まだ君が選手と決まった訳じゃ無い。」
「あの程度の奴には負けへん。お前もそう思うとるやろ。」
シャワーヘッドを壁に引っ掛けると背中にシャワーを浴びながら、
社は名残惜しそうにもう一度アキラに口付け、強く抱き締める。
その後、再び二人でベッドに戻り、明け方近くまでアキラは社と一緒に過ごした。
行為の作用でアキラが二度ほどトイレに行くのを許した他は社が離してくれなかった。
だからといってsexをするわけでもなく、ただ背中から抱き締められ横たわっていたのだ。
隣で社が寝息を立て始めたのを見計らってそっと抜け出そうとしたが、その度に
気配に気付いた社に捕まり、ベッドに引き戻された。
自分でも社の腕力にはかなわない。こうして彼の腕に捕らえられたら抜け出す事は出来ない。
ヒカルがもしも社に組み敷かれたら、それこそひとたまりもないだろう。
いつもゆったりした服を着ているが、その下のヒカルの体が驚く程華奢でか細いのを
何度か抱きしめた事があるアキラは良く知っている。
ヒカルの唇がどんなに甘く柔らかであるかアキラは誰よりも知っている。
そして社がどれ程一方的に攻撃的に責め立てるか知っている。
社に力ずくで抱かれ、恐怖と苦痛に喘ぎ泣き叫ぶヒカルの姿や表情を想像するだけで
アキラの背中に冷たいものが走った。
ヒカルを絶対そんな目に遭わしたく無い。
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