指話 22
(22)
行為はまるであえてボクから拒絶を引き出そうとするかのように容赦なく力を
加えられ、時間が経つにつれて激しくなっていった。だが、乱暴に動く指の痛みにも
決して声は出さなかった。そこには期待した親愛の温かさは欠片もなかった。
―強情だな…。
そんな彼の手が、最も柔らかく敏感な部分に到達した時、少しだけ声が漏れ、
体を強張らせた。その部分への行為は執拗に続けられた。それでも唇を噛み、
彼のパジャマの胸元を手で握ってそこに顔を埋めて耐えた。彼は今少し
混乱しているだけだ。すぐに正気に戻ってくれる、と信じるしかなかった。
そんなボクの態度に業を煮やしたのか彼は立ち上がると手中の体を抱きかかえ、
部屋を移動した。
寝室のベッドの上に乱暴に放り出される。
ズボンとシャツ、そして下着を剥ぎ取られ、全裸になって体を縮込ませるボクを
冷たく見下ろすようにして彼も服を脱いだ。
ベッドの上でも同様にさっきまでの行為が続けられた。
彼は仰向けにされたボクの体の両足の間に体を入れて開かせ、さらに強く刺激を
与えてくる。やがて彼の指は、体の表面だけでなく内部にも入り込んで来た。
ビクリと、今まで味わった事のない衝撃に体が震える。
力ずくで押し入って来た彼の指は外部からの刺激に未知である箇所を何かを
探るように辿る。口元まで出かかった悲鳴を飲み込む。少しでも足を閉じようと
すると強い力で今まで以上に押し広げられる。従うしか、なかった。
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