平安幻想異聞録-異聞- 番外 22
(22)
下半身を焼く灼熱の感覚に、ヒカルがもがく。狭い後門の中に、
無理矢理出し入れされる太い鉄槍は、情け容赦なくその先で奥を突き、
その茎でただれかけた内壁を擦り、圧倒的な力でヒカルの中を
踏みしだいていく。
うわごとのようにこぼれ出ていた哀願の言葉も、
すでに男を喜ばせる嗚咽の声でしかなくなっていた。
ヒカルに残されたのは、終わりのないようなドロドロとした熱と痛み、
頭の芯をいぶる底なしの悦楽。
ふいに、ヒカルの意識が黒い世界に飲みこまれた。
全ての音が、遠くに離れていく気がした。
――あ、楽になれるのかな――
そう思った刹那、右頬に強い痛みが走り、平手で思いきり打たれたのが
わかった。
暗闇に沈みかけた意識が浮上する。
男が大きな手のひらで、乱暴にヒカルの綺麗な金茶をした前髪を掴み、
持ち上げる。
「オレはまだイッてねぇんだ。さぼるんじゃねぇ!もっと締めつけろ!」
オレにどうしろって言うんだろう?
もう、指一本動かす力も残っていないのに。
失いかけた意識を無理矢理引き戻され、朦朧とした意識の中で、
ヒカルは漠然とそんな事を考えて途方にくれた。
男が怒ったように、ヒカルの四肢を動かないように地面に押さえつけると、
さらに根元の根元まで、自分の巨大な陽物をヒカルに押し入れ、貫く。
「ひぅっっ!………あっ、」
ヒカルの喉から、悲鳴にすらならない声が漏れた。
そして男は肉槍を、抜いて、刺す。ふたたび抜いて、刺す。
蹂躙し、その幼い体を支配する。
衝撃にヒカルのつま先がつっぱったように硬直する。
その男の動きが徐々に速くなる。
男がヒカルの尻に自分の腰を打ち付ける鈍い音に、
かすれて痛々しいばかりの少年のあえぎが、混じる。
男の荒々しい呻くような低い喘鳴もそれにあわせて、早く大きくなる。
男が吠えた。
最後の時、ヒカルはすでに悲鳴さえ上げることはできなかった。
ただ、黙って、槍に貫かれて絶命寸前の獣のように、手足をわななかせ、
男が自分の奥深くに溶けた鉄のように熱いものを放つのを受け止めた。
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