塔矢邸 22 - 24


(22)
「進藤の体、ちゃんと一度受け入れたところまでは覚えているみたいだよ。
前回を思うとずいぶん軽く入る…。イイ感じだよ。」
そんなアキラの言葉一つ一つがヒカルの羞恥心を炙り感覚を煽る。
「今だって、もっとボクを吸い込もうとしている…。怖いくらいに…。」
「…いいから、はやく、来いよ…!」
ヒカルは横を向いたまま、多少苛ついてアキラを促した。
確かに苦しさや痛みは相当あるのだが、体中を何かがざわめくような違和感を
早くどうにかして欲しかった。アキラと繋がりかかった部分のその奥が特にたまらなく熱く
むず痒い。壊れても構わないから一刻も早くその部分を激しく責め苛んで欲しいという
欲求に支配されていた。
「怒らないで、進藤。…じゃあ、いくよ。」
アキラの胸がヒカルの胸にかぶさり、体が上に逃げないようにするとヒカルの開いた腿の間に
腰を沈めた。
「う、ああっ…、あ…!」
ヒカルの悲鳴が上がり、その後姑く沈黙が続いた。お互いに止めていた息を深く吐いた。

「全部…入ったよ。…わかる?進藤…。」
アキラの言葉にヒカルは首を縦に動かして返事した。二つの心音が肉体を伝わって来る。
「動いて…動いて、塔矢…」
固く目を閉じ、頬を紅潮させ荒い吐息がかった声でヒカルはねだった。
そんなヒカルの頬をアキラが両手で触れて来て、唇を重ね、舌を絡ませて来た。
ヒカルも夢中でアキラの舌を吸った。


(23)
待切れないようにヒカルは空中に浮かせられていた両足をアキラの腰に絡め、自ら腰を
突き上げて更にアキラとの結合を深めた。
それに応じるようにアキラも腰を使い始めた。僅かに腰を引き、そして埋める。
「くう…っ」
それは僅かな動作だったが、熱で溶けかかったヒカルの内部に充分な刺激を与えた。
「進藤の中…すごい…、ドクドク波打ってる…」
「いいから…続けて…塔矢…、」
アキラは頷くと、一連の動きを最初はゆっくと繰り返した。
「あ…、ああ、…あ…っ」
アキラの抽出は少しづつ速まり、抜き指す幅も大きくなって行った。
「あ…あ、もっと、塔矢、もっと…塔…矢ア…っ!」
ヒカルの両手が彷徨い、アキラの両肩を掴んだ。
アキラが深く突き入る度にヒカルの上半身が振れて前髪が揺れた。その多くは
汗で額と頬に張り付いていた。
「進藤、進藤…!」
ひときわアキラの動きが激しくなり、ヒカルの内部でさらにアキラ自身が膨れ上がって
内壁を押し上げた。
「ああっ、塔矢の…すご…い…」
揺さぶられ突き上げられながら熱源体がヒカルの体の奥で渦巻き、そのままヒカル自身を
頂点として吹き上がって行こうとした。
「くはあっ」


(24)
ヒカルが胸部を反らし、その熱を放出しようとしたその時、やはりアキラにその根元を
強く握られてしまった。
「あっ…」
「くううっ!!」
重なりあった二人の腰が同時に痙攣し、ヒカルは腸壁が熱いもので灼かれるのを感じた。
だが、自分のものはその何かを押し戻され、思いを果たせず半立ちのまま震えていた。
「…何するんだよ!!」
ヒカルは怒りのこもった非難の視線をアキラに向けた。
アキラは肩で息をし、汗に濡れた髪を掻き上げてすまなそうな表情をする。
「…だって、進藤に入って貰いたいから…」
ヒカルは少々呆れたようにアキラを見上げた。ヒカルはほとんどもう、これで終わっても
いいと思っていたからだ。
だがアキラは余韻を惜しむようにヒカルの中を味わいながらも強く握りしめたヒカル自身を
もう片方の手で摩り、うっとりと見つめている。
そしてニコリと笑った。
「まさか進藤、この程度で音を上げる君じゃないだろうね。」
挑発するようなアキラのその言葉と視線にヒカルはムッとすると、体を起こし、
アキラの体を畳の上に押し倒した。その勢いでアキラ自身がヒカルから抜けた。
「…音を上げさせてやる…」
こいつには情けは無用だ、とヒカルは思った。
自分がされたと同じにアキラの足を抱え込み、胸に突く程に折り曲げると、
露になったアキラの窄まりに舌を尽き入れた。



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