パッチワーク 23
(23)
夜もひどくうなされておばさんは四年生になるまでヒカルに添い寝していた。
ヒカルの家に遊びに行って一緒に昼寝をするときにはおばさんにヒカルがうな
されたら「大丈夫」って何回でも言って上げてと頼まれたこともある。だから
昼寝するとき手を繋いだりもした。私も母からヒカルから目を離さないように
言われし、ヒカルがまたいなくなるのが怖くて私はいつもヒカルのあとにくっ
ついて行くようになった。おじさんやおばさんも自分たちか私が一緒でなけれ
ばヒカルを外へ出さないようにしていた。おばさんがずっと添い寝をしていた
反動か5年生のときうちとヒカルのうちで一緒に海の民宿に泊まったときや6年
生の修学旅行でも人が一緒だと眠れないと言って廊下で寝ようとして先生に怒
られた。小学校に入ってから無責任な噂で惚けたおばあさんが孫と間違えたと
か男の人が自殺の道連れにしようとしたとかいろいろなことが耳に入ったけれ
ど私には身近すぎて母に事件のことを聞くことはできなかった、だから私は今
でも何があったか知らない。私にわかっているのはあの時ヒカルがどこにいる
のか私たちにはわからなかったこと、憶えているのはヒカルにもう会えないか
もしれないと言う恐怖感だ。 段々良くなっていったけれど独り言などは中学
になっても続いていた。
|