社妄想(仮) 23
(23)
アキラは自分の上着を脱ぐとそれをコンクリートの上に敷き、その上にヒカルを寝かせた。
「あ、あの……ホントごめんな…………」
「謝らなくていいから……」
不安げに、そして心底申し訳無さそうに呟くヒカルを安心させるように、
アキラは髪を梳きながら応える。
下肢は既に散々馴らされた後のようで、アキラの指をあっさりと飲み込んだ。
苦痛に喘ぐヒカルの身体を宥めながら、一つ、二つと石を取り出す。
指が抽挿を繰り返す度に、ヒカルの身体は硬直し、石を取るのは結構な難作業だった。
ヒカルがアキラと初めて寝たのは、ほんの少し前の事。
漸く異物感にも慣れ、痛みよりも快楽を感じる事が出来るようになっていた
その矢先に、こんな目にあって。
肉体面よりも精神面でのショックが大きいはずだ。
アキラは怯えるように震えるヒカルを優しく宥めながら、暫くはなるべく、
ヒカルの傍を離れないようにしようと思った。
「っつ……いた、…痛いっ」
あと最後の一個という所で突然ヒカルが痛みを訴えだした。
「進藤?」
「なんか、痛い……擦らないで……取って…」
擦らないでと言われても締め付けているのは他ならぬヒカル自身なのだ。
意識すると、どんどん力は抜けなくなる。
指で摘んで取り出せるのならばいうことはないが、如何せん中はヒカルを犯した者の精液によって
ひどく滑(ぬめ)っている。
取り出した全ての石は殆ど掻き出したといっていい。
アキラは、忍ばせた指はそのままに石を取り出す事を諦めると、
もう一方の腕でヒカルを膝に抱え上げた。
「とぉ、や……?」
ヒカルが不思議そうにアキラを見つめ、瞬きする。
涙に濡れた睫が光を受けて眩く輝いている。
ヒカルが再度ゆっくりと瞬きをすると、目許を飾る滴は弾けて散った。
アキラは眦に残った露を吸い、そのまま唇で肌を辿る。
ヒカルの背筋がピンと張るのを感じたが、彼は逃げようとはしなかった。
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