Shangri-La 24
(24)
「進藤、お風呂入ろうよ」
「あぁ。塔矢、先入ってこいよ」
「え?イヤだよ。一緒に入ろ?」
「はぁ!?一緒ぉ?お前、何言ってんだよ。オレ、やだよ。
風呂一緒に入るのは絶対いやだって、塔矢も前言ってたじゃん」
「今日は一緒がいい。ううん、一緒じゃなきゃ嫌だ。」
「んもう、なんだよ?風呂ぐらい、一人で入れってばぁ。」
「そんなの嫌だよ。進藤と一緒に入りたい。」
「何だよ?なんで今日、さっきからそんなに色々しつこいんだよ?
風呂ぐらい別に一人で入るし、塔矢だって――」
アキラは厳しい顔でヒカルを見ていた。
その淋しげに揺れている瞳に気がついたヒカルは、
今日この自分に纏わりつきたがるアキラを突き放すのは不可能と悟った。
「――わかったよ…」
アキラは嬉々として、手早くヒカルの着ているものを脱がせた。
Tシャツをヒカルから引き抜くと、わずかに汗のにおいだけがした。
香水の匂いがしないヒカルは随分久しぶりで、ついヒカルを抱き締めた。
触れた肌は記憶よりすこし体温が低く、その切なさに溜息をついた。
なんだよぉ?、とヒカルに非難され、名残惜しく身体を離すと
ヒカルの下着まで全部脱がせて、バスルームに送り出した。
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