Shangri-La第2章 24
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(まさか、またアキラを抱くことになるとは――)
挿入前の念押しは、アキラへの意思確認というよりは
緒方自身への再確認の意味が強かった。
確かに、手を離れた後のアキラに興味を持ったし、
また一時はその妖艶さに危険を感じ、踏みとどまったのも事実だ。
他人のものに手は出さない主義だという言葉もまた真実だが、
これだけ懸命に、縋るように求められて、
それでもアキラを突き放すことは、やはり緒方にはできなかった。
若いヒカルと比べられたくなかったし
久しぶりのアキラをじっくり味わいたいという理由で
最初から飛ばすのは止めておいたが、そのゆっくりした動作の中で
アキラの身体が少し強張っていることに気づいた。
「アキラ、どうかしたか…?」
動きを止めて声をかけた。よく見ると、シーツを握りしめた手が
力が入りすぎているのか、妙な白さだ。
「はぁっ………い、た……んん…」
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