裏階段 三谷編 24
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自分が穢れた魂だと思い知らされるだけだとしても無垢な魂に惹かれてしまう。
いっそ無垢な者達がこちらを拒絶してくれたら、彼等を憎む事が出来ただろうに。
静かになったこちらの体の下で彼もやはり静かだった。
激しかった動悸が収まりところどころに紅潮した模様を描いていた皮膚も元の透明な青白さを取り戻していた。
一時的に高まった体温であちこちを濡らしていた汗も室内の乾いた空気によって消えた。
微かな体臭と人工的な香料の微妙な混じり加減が彼の価値を高めている。
彼の腹部に描かれた白濁の模様と、変わらぬ熱と質量でこちらのモノが彼の奥深くを占領している
他は最初の地点に戻ったようだった。だが当然これで終わりではない。むしろ、これからだった。
ベッドサイドに手を延ばしてティッシュを取り彼のその部位を拭う。先端を包んだ時僅かにビクリと彼と
彼自身が震え、こちらを受け入れている箇所も狭まった。
体液を吸ったティッシュを丸めてベッド脇のダストボックスに投げ込み、直接彼自身を手で包み込む。
力を入れて根元を握ると鈴口から残りが滲み出て来る。雫程度のそれを親指で取り、彼の唇に塗ってやった。
両手を顔の両脇に放り出して放心状態だった彼もさすがにその行為に抗議するようにこちらを睨み付けて来た。
塗り付けたものを舌で舐め取るようにして再び唇を貪り、彼の内部で動き始める。
「…いかげんに…ろよ…!」
あまりに激しく吸い立てた事に閉口して彼が激しく首を振って顔を離した。その彼の両手首を押さえ付け
胸へと唇を移動し、しつこい位に乳首を責め立てた。同時に腰を激しく抽出させた。
「…は…あっ!」
一度鎮火した彼の体内を再び煽り立てる。時間をかけた前回と打って変わって今度はどれだけ短い時間で
彼が到達するのかを試すように、一気に、冷ややかに彼を追い詰めていく。
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