sai包囲網・中一の夏編 24
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「嘘、じゃ、な・・・い」
「じゃあ、saiと打たせてくれる?」
必死に頷いてはいるけれど、ちゃんと自分の言ってることが分かって
るのか怪しいところだ。
「いいよ。イカせてあげる。だけど・・・」
約束を守らなかったら、こんなものじゃ済まないよ。そう最後通告を
した後、激しく進藤の中を掻き回し、散々悲鳴を上げさせてから、ゆっ
くりと戒めていた指を離した。途端に、勢いよく白いものが零れ落ち、
がくりと進藤の身体がソファーの上に落ちた。
目尻から溢れた涙がふっくらとした頬から顎を伝って落ちる。苦しい
息を吐き出す唇から小さな赤い舌がちろちろと覗いていた。それに誘わ
れるように唇を寄せ、小さくキスをした後、床に転がったままのペット
ボトルを引き寄せ、中身を口に含んで進藤に飲ませる。
身体を濡らすほど汗をかいたせいか、それとも泣き叫んで喉が渇いた
のか、進藤が水分を求めてボクの口の中に舌を伸ばして来る。淫靡と言
うよりは本能的に母乳を欲しがる生まれたばかりの赤ん坊のようだった。
「ケホッ、ケホッ」
一気に飲み込んだせいで進藤が軽く咽せる。その背中を優しく撫でて
落ち着かせる。軽く自分の服装の乱れを整え、棚にしまってあったバス
タオルを二枚、引っ張り出してきた。
進藤の中にすべて吐き出したボクはともかく、進藤は酷い有様だった。
最初の一枚で汗と下肢の汚れを拭い、もう一枚で進藤を肩からくるんだ。
脚の間に身体を入れると、進藤の腰が引ける。
「まだ何かするのかよ」
勝ち気な口調に反してその大きな瞳に怯えが走ったのを見て、ボクは
薄く笑った。
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