24 - 25
(24)
アキラは手を伸ばし、淫猥にそそり立った眼前の物体を握った。すでに膨張しきって堅く張り詰めたその汚らしさに、アキラの手からスッと血の気が引いてゆく。
だが大丈夫だ、とアキラは思った。心は何も感じていない。
…麻痺した様に。
「くくく…ッ、そうだ、いいぞ!さあ、もっとしっかり握ってみろ!」
上から振ってくる下卑た声を完璧な無表情で受け止める。
(嫌だ、塔矢!!そんな事するなっ!やめてくれ…!!)
背後から体を拘束され口を塞がれたまま、目の前で起こっている出来事に耐えられずにヒカルは必死でもがき叫んだ。
「ん、んんっ!んんン……ッ!!」
しかしヒカルを絡め取る男の腕は益々きつくヒカルの体を締め上げるばかりだった。
(塔矢、塔矢……!)
アキラはわずかに眉を寄せ、ヒカルに目を向けぬまま低い声で言った。
「進藤、見るな」
いっそ冷たいともいえる突き放した口調だった。
(25)
「キミには、見せたくない。だから見るな」
アキラの声はヒカルの心に刃のように突き刺さった。
(塔矢…っ!)
アキラの言葉を決意の言葉と受け取った男達がヒヒヒ、と笑声を上げる。
「この坊ちゃん、やる気満々だなぁ。随分物わかりがいいぜ」
「さっさとやれよ、口に入れるんだ!噛むんじゃねえぞ!」
見開かれたヒカルの大きな瞳から、透明な涙が頬を伝って滑り落ちた。
「ンんん……っ!」
力一杯、男の腕から逃れるためにヒカルが暴れている。
そんなヒカルが痛ましかった。
(大丈夫だ進藤。キミがされるより、ボクがやる…)
アキラは表情を映さない白い顔をうつむけ、膨れ上がった男の陰茎を品の良い唇にためらいなく含ませた。
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