平安幻想異聞録-異聞- 242
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最初はその尖端から。根元まで、その形を確かめるみたいに、ゆっくりと
舌をからめ、裏の筋の場所までしっかりと愛撫する。陰嚢まで丁寧に口に
含むようにしてなめて転がす。
もう一度尖端まで戻ってから、その屹立するものを口の中に銜え込んだ。
舌でその表面を刺激しながら、唇を使い、まるで下の口でするように、
締め付けながらしごく。
その感触に思わず佐為が細い眉を寄せ、少し苦しげな快楽の声を漏らすのを
聞くと、ヒカルはなんだか自分がされてるみたいに心地良く、こそばゆい
ような気持ちになるのだ。
突然、強い力で褥に組み敷かれた。
深く口付けられる。その唇を放して佐為が言った。
「ヒカル、大人をからかった責任はちゃんと取りなさい」
ヒカルは、それでも自分に体重を全部かけないように気を使ってくれて
いる佐為が、嬉しかった。
「だから…、さっきから大丈夫だって、言ってんじゃん」
言って、自分から佐為に唇を合わせる。
本当はまだ佐為の言う通り、少し人と肌を触れ合わすのは怖い。
だけど、佐為となら大丈夫、平気だと思ったのだ。
佐為の薄くてやわらかい唇が、ヒカルの少しふっくらとしたそれに
強く押し付けられる。
舌を絡めていったのはヒカルの方からだった。佐為がそれに答えて、
口付けは、いつのまにか、互いの唾液を奪い合うような、激しいものになった。
佐為の唇が降りてきて、ヒカルの鎖骨のあたりをちくりと噛む。
たったそれだけのことに信じられないくらい感じて、ヒカルは思わず
うわずった声を上げていた。
素直に気持ちがいいと思った。
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