平安幻想異聞録-異聞- 245


(245)
もう一度最初から、とでも言うように、佐為が再び、指先から丁寧に愛戯を
ほどこし始めた。
すでに充分に高められて過敏になった体には、それはよりいっそう強い刺激と
して受け止められ、なんだか焦らされているようで、ヒカルは何度も甘える
ように佐為の名を呼んだ。
佐為の手管で乱されていくヒカルは、そんな自分を隠そうとはしなかった。
感じるままに身悶える。
ヒカルの存在を確かめるようなその長い前戯のあと、ようやっと中に入ってきた
佐為のモノの感触に、ヒカルはほっと安心したように息をついた。
「ヒカル、気持ちいいですか?」
「うん……」
ヒカルが小さく頷く。そのヒカルの耳元に唇をよせて、佐為がささやく。
「ヒカルの中も気持ちいいですよ」
その佐為の物言いに、ヒカルは顔を赤らめた。
「恥ずかしいやつ……」
「ホントの事です」
そう言って、中で動き始めた佐為に、ヒカルは甘い声を上げ始める。
「ぁ…あ……いい……」
と、そんな会話の後だったから、その言葉は、自然にすんなりと口から
突いて出た。
「……いい……いい……、佐為…」
喘ぎ声にもすすり泣きにも似た、その言葉を、佐為は口付けで部屋の外に
漏れないように塞ぐ。
でも唇でした蓋をわずかに外せば、それだけで、ヒカルの口からは
押さえきれない嬌声が漏れた。
その甘い声の間に混じる囁きのようなヒカルの言葉に、佐為が耳を傾ける。
「……は……ぁぁ…あ、佐為……もっと………もっと、佐為が…ぁ、欲しい」
それは、佐為にとっては、自らの情欲をからめとる呪のような言葉だった。
折れるほどに抱きしめられ、より強く中を擦られる快楽に、ヒカルの背中が
のけ反った。



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