少年王アキラ 25


(25)
ピシィ―――――――!
鋭い音が座間の背中で鳴った。
「あぁ―――――」
座間は悲鳴を上げた。苦痛からではない。歓喜の声だ。
座間が悶える様をオガタンは一瞥し、それから徐に目を逸らした。
『み…醜い…!目が腐る!!』
オガタンは、鞭を振り下ろすアキラ王の方だけを見ることに集中した。だが、見たくない物程、
視界に入ってくるのである。男性のヌードを悲鳴を上げながら、指の隙間から見ている
おばさんのような物であろうか…?いや…ちょっと違うか……。
オガタンは、そういうつまらない考えで気を紛らわそうと必死になった。
アキラ王は執事の背を打ち続けた。座間が体を捩り、悲鳴を上げるのは痛みからだと
信じていた。
そろそろ薬を与えてみた方がいいのでは……。
アキラ王がオガタンに指示を仰ごうとしたとき、艦内放送が流れた。

ピンポンパンポ――――――ン
え、まもなく金沢に到着いたします。
お降りの方はお忘れ物のないようお気をつけください。

「着いたか!よし!座間、衣装と競馬新聞をもて!」
アキラ王は鞭を放り出し、悄然と打ちひしがれる執事に命じた。



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