Shangri-La 25
(25)
アキラはヒカルに続いてバスルームに入った。
「進藤、ボクが洗ってあげるよ」
「そんな、別に自分で洗えるし」
「せっかく一緒に入るんだから、その位させてよ?」
「別に、そんな事までしてもらわなくていいから!」
「でも、さっき好きにしていいって…」
アキラはまたあの淋しい目で、ごめん、と小さく呟き顔を背けた。
「いいよ、じゃぁ、頼むよ」
ヒカルの言葉は不機嫌だったが、アキラはぱっと相好を崩して
うん、そっち向いてて、と明るく答えるとシャンプーを手に取り、丹念に洗った。
「せっかくだから、体も洗ってあげるよ。ボディソープ取って」
「うん…、じゃ、背中だけ」
アキラはボディソープを手に取り、泡立てるとヒカルの背中に滑らせた。
ヒカルの背中が何となく物珍しくて、マッサージしながら少し楽しんだ。
背中にあった変な緊張が、少しずつほぐれているのが分かる。
背中から肩、首、腕へとゆっくり泡を塗っていったが
ヒカルから拒否されることはなく、むしろ身体を委ねられているようだった。
「進藤、立って」
予想に反して、意外なほど従順にヒカルは立ち上がった。
アキラは手の中の泡を、ヒカルの腰から臀部にかけて伸ばしてゆく。
その小さくて締まった双丘をやわやわと撫でさすりながら、アキラは
ヒカルの無駄のない細い腰つきを堪能した。
さらに泡を手に取り、その谷間に指を滑らせる。
ヒカルは一瞬身体をこわばらせ、前へ逃げようとしたが
それより僅かに早くアキラの手がヒカルの腰に回り、結果として
目の前のタイルに両腕を逃がしながら、腰だけを突きだす格好になった。
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