弄ばれたい御衣黄桜下の翻弄覗き夜話 25
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「おまえ、雌犬みたいに背中から入れられる方がいいみたいだな」
前から抱いていた時とは、明らかにその官能の度合いが違っていた。
「言えば最初から、こうやって抱いてやったのに」
ヒカルは、門脇の腕に背中から拘束されて、ただなすがままにされている。
外灯しかない薄闇の中、その表情は、乱れた金の前髪に隠されてわからない。
門脇が、腰を打ち付け始めると、すぐに嬌声が漏れ始めた。
そこに行為の最初には確かにあったはずの悲痛さはすでになく、ただ体の奥から
込み上げる痺れにこらえきれず喉を震わせているような、甘い旋律だけがあった。
手を伸ばして、長い前髪をかき分け、わずかな明りをたよりに表情を確かめる。
ヒカルは、眉を切なげに八の字によせて、この快楽の拷問に耐えていた。
「おまえを仕込んだその男と、どっちがいいよ? え?」
「ぁ……は……はん、あぁぁ、…」
もとより、この状況で門脇は、ヒカルの返事を期待していなかった。
「俺の方が上手いだろ? んん?」
門脇はヒカルの耳元に囁きながら、前にまわした手で、へその周りをまさぐり、
乳首を弄ぶ。
ヒカルの声が、いっそう高く闇を打つ。その手が、力なくすがるものを探して地面
を這い、短い春の芝生を掴んだ。
この淫虐な尋問の最後の仕上げをするために、門脇はヒカルの体を芝生の上に体重で
押しつぶすように押さえつけ、深くその内蔵をこねまわし、掻き回した。
「イイッ、あぁぁぁっ、っ、イッちゃう! またイッちゃう!」
「ああ、イケよ」
ヒカルの肢体に、繰り返し大小のバビンスキー反射の痙攣が走るのを、門脇はその
体全体で感じた。
狭道に打ち込まれた肉の楔も例外ではない。
激しく波打つように動く内壁に引き絞られ、そのあまりのきつさに、門脇も低く
喘ぎながら、その壁に自分の体液を何度も打ち付けた。
ヒカルの手に力が入って、プチプチプチと掴まれた芝生が抜ける音がした。
「あーーーーーっ!!」
ヒカルの喉が最後の歓喜の悲鳴を上げる。
それは人気のない夜の公園に、例えようもなく淫靡に染み渡った。
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