落日 25
(25)
「ふふ…そうですね。」
そうだろう?
「近衛が言うと、本当に出来そうな気がします。」
気がする、じゃなくてさ。ほんとにすれば良いんだよ。
「連れて行ってくれるのですか?」
ああ、連れてってやるとも。
「でも……本当に大丈夫でしょうか?」
大丈夫さ。
「……近衛は……怖くはないのですか?」
何が?こら、俺の剣の腕を疑うのか?あん時よりもずっと腕を上げたんだぜ。
怖いものなんか何もないさ。
「いつの間に、そんなに頼もしく成長したんでしょう。」
当たり前さ。俺だっていつまでも子供じゃないんだから。さ、行こう、佐為。
「ああ、近衛、」
な、なんだよ…佐為……
「大好きですよ、ヒカル。本当に、私はあなたのことが…」
うん……俺も、俺も佐為が大好きだ。
「大好きです。私にとって一番大切な人です。ヒカル。だから……」
佐為?……佐為、…どうしたんだ……?
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