Trick or Treat! 25 - 26
(25)
「んぁ、・・・はぁ・・・っ、・・・ぁあ・・・」
「気持ちいいか?口の中も、粘膜だからな」
笑いながら緒方は指を二本に増やして更に奥へと差し入れ、温かで滑らかな頬の内側や
繊細な凹凸のある硬口蓋を焦らすように何度も撫でた。
「んっ・・・、んぁ、」
開いたままのアキラの口が次第にカクカクと震え始め、首に回されていた手が降りてきて
緒方の手首に添えられる。
「どうした?」
笑みを含んだ緒方の目と視線が合うと、アキラは反応を窺うように甘く潤んだ目で
緒方を見つめながら、そろそろと唇を閉じた。
「開いておくように言っただろうが」
優しく囁くだけで緒方が指を引き抜こうとはしないのがわかると、
アキラは嬉しそうに微笑んで両手を緒方の手首に添え、ニコニコと棒状のキャンディでも
しゃぶるように二本の指をしゃぶり始めた。
「指なんかしゃぶって、旨いのか?」
「んっ・・・」
答える代わりに嬉しそうな顔をして、アキラはぴちゃぴちゃと緒方の指を舐める。
「オレの指が、好きなのか」
「ん」
真面目な瞳で軽く頷いてからまた嬉しそうな顔に戻り、遊ぶようにちゅうちゅうと
音を立てる。
――今アキラが愛撫してくれているのは自分の指だが、それと同時に自分自身でもあり、
自分の全てだ。
この口がまだ食べる事も喋る事も出来なかった頃からアキラを知っている。
時を経て自分たちが今こうしているのは不思議なようでもあり、
また初めから決まっていたことのようでもあった。
(26)
「・・・指だけで満足か?そろそろ、他のご馳走も欲しそうな顔をしてるぜ」
濡れた唇の中へと二本の指をゆっくり押し込み、とあるリズムで抜き差しを
繰り返してやると、アキラは悪戯っぽく微笑んでから目を閉じ、
指の動きに呼吸を合わせるように口腔をうっとりと収縮させた。
緒方の腰にのしかかられている下腹部には、既にゆっくりと立ち上がっていたものの
気配がある。
それを承諾の合図と取った緒方は指を抜き、仰向けのアキラのエプロンの下に
手を差し入れてウエストのボタンを緩めた。
アキラが小さく息を乱しながら身を起こし、自分でエプロンを外そうとする。
「外すな。そのままだ」
「え?だって」
「いいから」
細い腰の下に手を差し入れて下着ごと下半身の衣服をずり下ろすと、
アキラが小さく声を上げた。
「"アキラくん"はなかなか力持ちだな」
喉の奥で笑いながら言ってやると、アキラが少し顔を赤くしてそっぽを向く。
エプロンの薄い布地が下から持ち上げられて見事な山型を成していた。
山の頂点にはじわりと内側から滲み出た染みがある。
緒方はためらいなくその中へ頭を潜り込ませ、中心にあるものを口に含んだ。
「あ、緒方さん・・・っ、アッ、ぅん、あんんっ!」
驚いて身を起こしかけたアキラが、身をのけぞらせた気配がする。
エプロンの中の世界は薄暗く暖かく、アキラの匂いがした。
さっきアキラが自分の指にした行為のお返しのように念入りにしゃぶってやると、
アキラが細い声を上げてエプロンの上から緒方の頭を押さえた。
逃れたいのか、より深い快楽を得たいのか、太腿の途中に引っ掛かったままの
衣服によって脚の動きを封じられたアキラが激しく腰をくねらせる。
「いいから、出せよ・・・」
差し入れた両手でアキラの尻肉を強く鷲掴みにしながら吸い上げると、
アキラは声を上げながらビクッビクッと痙攣して、緒方の口中に一度目の精を放った。
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