失着点・境界編 25 - 26
(25)
ヒカルはそのままうつ伏せたアキラの腰のあたりに馬乗りになり、ほぼ外れ
かけたネクタイを取り胸の下に手を入れてシャツのボタンを外そうとした。
「やめろっ!進藤!、…ボクは本気で怒っているんだぞ!!」
アキラはシャツを抱え込んで怒鳴った。まるでしっぽの先まで毛を逆立てて
威嚇するネコのように。
「…オレも本気だよ。」
ヒカルはシャツを脱がそうとするのを止めて、以前より幾分長く伸びた
アキラの黒髪をそっと撫でた。
「本気でお前をオレのものにするって決めたんだ。…今まで、本当はずっと
迷ってた。オレ達がしていることは間違っているんじゃないかって。
だけどもういいんだ。もう迷わない。オレ達は間違っちゃいない…。」
アキラの背中から刺々しさが退いていくのが分かった。
それでもしばらくの間はアキラはシャツを抱えたまま動かず答えなかった。
「…お前の返事を待つつもりはないよ。」
力ずくでもそうする気でいたのだ。もう後戻りは出来ない。
ヒカルはアキラの下肢を割って強引に体を入れようとした。
「待って…!」
アキラが手を伸ばしてヒカルの腕を掴んだ。
「…キスしてよ…。…進藤…。」
ヒカルの体の下でアキラは仰向けになる。ヒカルはそっと顔を近付けアキラと
優しい長いキスを交わした。アキラは自らシャツを脱ぎ背中を向けた。
その背中から腰へとヒカルは順にキスを続けた。やがて双丘の谷間へ、
その奥へとゆっくりと舌を這わせていった。
(26)
アキラの火口はさっきのヒカルの所業のせいか少し膨らんでいた。
ヒカルは股の間から手を入れてアキラの腹部を持ち上げアキラに四つん這いの
姿勢をとるよう促す。
「う…ん…、」
明かりの下で、激しい羞恥心と闘いながらそれでもアキラは従った。
ヒカルはその小さな入り口に内股を伝い落ちる位にたっぷりとだ液を注ぎ、
内部に舌を潜り込ませて内壁をまさぐる。
「あっ…あ…んんっ」
ヒカルとはその一ケ所のみで接点を持ち、体中の神経をそこに集中させられ
アキラは切なく声を漏らす。
プライドをずたずたにされさっきまであんなに激しく逆らっていたアキラの
その豹変ぶりは、ヒカルの中に眠っていた雄特有の征服欲に火をつけた。
もっと完璧なまでにこの獲物を責め従えたい。
十分に潤いを持ち始めた狭門に再度ヒカルは指を挿入する。
「う…んっ!」
アキラの下肢がビクンと震えた。
きつさはそんなに変わらなかったが、今度はかなりスムーズに奥まで入った。
「…教えろよ。」
「え…?」
「お前が気持ちいいところ…、どこだよ。」
ヒカルはさっきとは違う目的で、内診するかのように指の腹でアキラの
中を探った。
|