塔矢邸 25 - 27
(25)
「う…んっ」
アキラが呻いたが、ヒカルは構わず舌を動かした。
既にそこは柔らかく膨れてほとんど準備が整っているようだったが、むしろ
自分自身を奮い立たせるためにヒカルはそこを吸った。
「あ…あ、んん…、」
充分ヒカルの中に吐き出しただろうに、もうアキラ自身が後ろを愛撫されて雫を滲ませ
勃ち上がりかかって来ていた。
その傍に切なく喘ぐアキラの顔がある。
悔しいけれど、そんなアキラの顔はゾッとするほど妖しく綺麗だった。
ヒカルの下腹部が痛い程昂って来た。
舌を離して腰を重ねると、ヒカルは一気にアキラを貫いた。
「ああっ、うっー!!」
ほぼ一撃でほとんど根元までヒカル自身がアキラの中に収まった。
さすがに堪えたのか、アキラは首を振って体を震わせている。
それでも構わずヒカルは再度押し入った。最奥にまで行きつくとすぐに大きく引き出し、
再度打ち付けた。
「う…あ…っ」
ひくっとアキラが唸り、ぐったりとなった。ヒカルはさすがに心配になり、
アキラの顔を覗き込んだ。
「大丈夫か、塔矢…」
だがその時ヒカルはアキラの視線がヒカルの肩ごしの後方を見つめているのに
気付いた。
「いいよ…おいでよ、社…」
アキラの唇が呟くようにそう動いた。と同時にヒカルの背後に人の気配がした。
次の瞬間、前をアキラの中に収めたヒカルの後ろに熱いモノが押し当てられて来た。
(26)
「あ…っ、あ…ああ!?」
後ろを振り返ろうとしたヒカルだったが、アキラに覆いかぶさるようにしていた体勢の
最後尾部分に力がかかって前方につんのめった。
その崩れかけたヒカルの腰を大きな熱のこもった手の平に捉えられ、
再び後方に引き寄せられた時、ヒカルの体内を熱く固いモノが貫いた。
「うわああああああっ!!」
想像していなかった衝撃にヒカルは叫び、アキラの胸に顔を埋めるようにして呻いた。
そうして体を震わせながら自分の肩ごしに振り返ったヒカルが見たものは、
目を血走らせてヒカルの腰にかぶさり、自分自身をヒカルの中に押し込んで
呼吸を荒くしている社だった。
「…社くんはさっきからずっとボク達を見ていたんだよ…。おいでって何度も目で知らせたのに
中々近付いて来なくて…」
アキラがそう言うと、社が荒い吐息で吐き捨てるように言った。
「当たり前やろ、目を覚ましてみたらお前等、こんな…こんな事しとるなんて驚いて、
初めは信じられんかった…」
「…でも君も我慢出来ずに来た。そうだろう?一緒に楽しもう、…社くん。」
2人の交わす会話を、2人の体に挟まった状態で聞いて、ヒカルはアキラが何を言っているのか
理解できなかった。
そして自分が前をアキラに収めたまま後ろを社に貫かれている状態なのだとようやく認識し、
全身をカタカタ震えさせた。
(27)
ついさっきアキラを受け入れ、アキラの体液を含んだヒカルの後門はその延長のようにして
強引な社の侵入を比較的容易に許してしまったのだった。
だがアキラに勝るとも劣らない社の昂りはヒカルの体内でさらに膨れ上がって
ヒカルを押し上げ始めた。
「はっあ、うああっ…!」
ヒカルは苦し気に身を起こし、この状況から逃れようとした。
自分のものか、社のものかアキラのものか分からない心音が体内を駆け巡っていた。
だがアキラが両腕をヒカルの首にまわして抱き着き、ヒカルの行働を制した。
「…ダメだよ、進藤。このまま続けよう…。」
「…冗談…やめろよ…!!」
ヒカルは目を見開いてアキラを見つめた。
「こんな、こんなの、…オレ、…耐えられない…!!」
それでもヒカルを見上げるアキラの表情は変わらなかった。
「大丈夫…怖がらないで、進藤…」
アキラの中でヒカルは覇気を無くしかけていた。するとアキラはヒカル自身をきつく締め付けて
ゆっくり腰を揺らした。
「あ…や、ヤメ…、塔…矢…!!」
アキラから刺激を受けてヒカルの体内が締まったせいか、社も呻いた。
「すげ…進藤の中…気持ちええわ…」
そして連られるようにして社も腰を回すようにして動かし始めた。
「オレ…もう我慢出来ん…!進藤…悪いけどこのままイカせてもらう…」
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