トーヤアキラの一日 26


(26)
アキラはさっきまでとは違って、黒い大きな瞳を見開いて堂々とヒカルを見つめている。
何とか自分の気持ちに偽りがない事を視線で伝えようとしていた。
そんなアキラの目をじっと見ていたヒカルは、自分の気持ちを手繰るように話し出した。
「お前に好きだって言われた時は正直驚いたよ。だけど、お前の話を聞きながら不思議に
思ったんだ・・・・・自分も同じ事思ってたから。・・・・・あの時、碁会所を出て行ってから、
オレもお前に会って碁の話がしたいって、すっごく思ってたんだ。・・・・・だけど、それが
お前を好きだという事にはならなかった。だから、考えてみるってあの時言ったんだよ。
お前の真剣な目を見て、オレもちゃんと考えてみなくちゃって・・・・」

ヒカルの意外な言葉に、アキラは驚きに眼を瞠るばかりで何も口を挟めない。
「そう思ったのに、お前からの連絡は全然無くてさ、もしかして、あの時の言葉は嘘だった
のかも知れない、って思い始めたんだ。しかも二週間前に会った時なんか、オレの顔を見て、
イヤそうにしてたよな!?お前の気持ちを受け入れてみようかな、って思ってたのに!
お前の事を真剣に考えてみようって思ってたのに!会いたいって思ってたのに!!」
アキラは思わずヒカルの手を取って抱き寄せた。ヒカルを強く抱き締めながら、
「ごめん、ごめん、ボクは自分の事しか考えてなかった。あの時も、キミからの連絡が
無いので、嫌われたと思い込んでいたんだ。だから怖くてキミの顔をまともに見ることが
出来なかった。もっと早く連絡するべきだった。ボクが悪いんだ。ごめん、ごめん進藤」
とヒカルを宥める。ヒカルはアキラに抱き締められながら弱々しく非難する。
「そうだよ、お前が全部悪い。全部全部!」



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