闇の傀儡師 26 - 30


(26)
「お願い…許して…」
床の上でヒカルは息も絶え絶えに哀願する。
さっきよりも高い位置から落とされたロウの雫は若干温度が下がっているものの、それでも
弱い皮膚の上に相当の熱を持って弾ける度にヒカルに悲鳴をあげさせ、身を踊らさせた。
そんなヒカルの姿態を喜ぶかのように男は興奮した呼気を漏らし、さらに皮膚の弱そうな
左右の小さな突起を狙って交互にロウを降らす。
「あうっ、ううーっ!!」
今はひたすら胸の上で火花が走るような衝撃に耐えるしかなかった。それでも先に落ちた
ロウが冷えて固まり、幾分か苦痛が弱まってきた。
いや、そのせいだけではなかった。
何故か急激に火傷の痛みがその部分から引いて行く。そして逆に切ない刺激に変化して行く。
「…は…あっ…」
ヒカルの部屋で、アキラが赤く膨れ上がったヒカルの胸部を舐めて癒していた。
「進藤、しっかりしろ…、現実に戻って来い…!」
一瞬、そんなアキラの声がヒカルの耳に聞こえて来たような気がした。
そしてアキラの柔らかな唇がもっとも赤く痛々しく腫れ上がったヒカルの突起を含んだ。
痛みでは無い、そうじゃない刺激をヒカルの中に送り込もうとしているかのように。
そうだ、これは夢なんだ。自分の意識を自由にさせるもんか。
ヒカルは目を閉じてそう自分に言い聞かせようとした。
一方の突起から腫れがおさまるのを見て、アキラはもう片方の突起も口に含み、舌で愛撫する。
意識がここには無いとは言え、徐々にヒカルの体がそれに反応を示し始めていた。


(27)
「進藤…」
そうしながらアキラも少しずつ息を荒げ、来ていたシャツの首元を緩める。
ヒカルの胸を吸いながら、アキラはいつしかヒカルの体に覆いかぶさるようにして
強くヒカルを抱きしめていた。
「戻って来い、戻って来てくれ、進藤…!」

明らかにヒカルが苦しさからではない吐息を漏らし始めたのを見て、男は小さく舌打ちをした。
「あまり手酷い事はしないつもりだったが…仕方がないようだね。」
その男の言葉にヒカルがハッとして目を開けると、今度は体の上で揺れていたロウソクの炎が
ゆっくりと下半身の方に動くのが見えた。
ヒカルの両足は左右に大きく開かれて拘束されている。
再びヒカルの心は強い恐怖に囚われてしまった。
「い、いやだーーーーっ!」
一滴一滴、熱いロウの雫はヒカルの体の中心にそってみぞおちから腹部、さらにその下へと
落下地点を移して行った。
やがてその落下地点がヒカルのもっとも敏感な部分と重なった。
「ぐああああーーっ!」
ヒカルの体が上のアキラの体を持ち上げる程に反り上がった。
「し、進藤!?」
「あ、あ、熱い、死んじゃう…、助けて、塔矢…!!」
ヒカルが無意識に激しく腰を振らすのを見て、アキラは状況を理解し、決意してヒカルの
下肢からジャージのズボンと下着を取り払った。
そしてあまりの痛々しい様にショックと怒りで一瞬目を閉じた。


(28)
まだ未発達なヒカルのその部分とその周辺がやはり真っ赤に腫れ上がって、
ひくひくと喘ぐように震えている。
アキラはひと呼吸つくと、決意したようにその部分に顔を寄せて行った。

床の上でヒカルは放心状態で横たわっていた。両腕は後ろ手に縛り直され、両足の拘束は
解かれたものの、もはやわずかも動く気力をヒカルは失っていた。
ロウを落とされた局部が燃え上がるように激しく疼く。
ヒカルはこのまま自分は気が狂っていくのかと思った。むしろその方がましなのかとさえ
思えた。
するとまた、その部分にふわりと柔らかい何かが触れ、最初激しく痛む箇所に何かが
擦れる事に反射的に怯えたヒカルだったが、すぐにそれがアキラの行為だと気付いた。
「…と…おや…」
柔らかく温かなそれはヒカル自身をすっぽりと包み込み、残忍な衝撃の余韻を薄れさせ、
代りに甘い何とも言えない感触を与えてくれた。
それは性的なものとは違う、ただひたむきにヒカルを苦痛から救おうとしているアキラの
願いに思えた。
自分は一体向こうに戻れるのだろうか。塔矢の居る世界に。
「塔矢ア…」
両手は使えなかったが、心の中でヒカルはアキラに向かって両手を差し出した。
ここへ来る直前に真剣な目で自分の事を見つめ、励ましてくれたアキラの顔が浮かんだ。
その時体の中心に熱いものが高まり、刺激を受けている先端に向けて走り抜けようとしかけた。
ベッドの上で行為を続けるアキラの背中側で、青ざめた顔で空ろな表情で横たわっていた
ヒカルの目が、ゆっくりと焦点を合わせ始めた。


(29)
背中に触れる冷たい床の感触と、自分のベッドのマットの感触が混じりあうのを感じ、
ようやくヒカルは覚醒出来るかと思った。
その時、カシャン、と冷たい金属が足首に触れた。
「えっ…?」
しばらく傍に居なかった男が戻って来て、何かをヒカルの足首に取り付けている。
ぼんやりした意識から、再びここへ繋がれてしまった事にヒカルは唇を噛んだ。
両足首にはそれぞれ金属の輪がはめられ、その輪には鎖がついていて、その先に
重りのような丸い球体がついていた。
重り?何の為に…?
「やれやれ、少し準備に手間取ってしまった。もう少しで間に合わなくなるところだった…。
ヒカルくん、あれをご覧。」
そう言って男の手がヒカルの上半身を抱き起こす。
そしてヒカルはそこに信じられない物を見た。
それは跳び箱程の二倍程の大きさの木で出来た台だった。上が尖った
いわゆる「三角木馬」というもので、ヒカルもそれは何か処罰や拷問道具として
使われるものだと何かの本で見た事があった。
ヒカルの顔から血の気が引き、カタカタと全身が震えた。
「…い…やだ…」
そう小さくやっとの思いで声を出した。
「そうだね、ヒカルくん。私もこんな事はしたくない。だから君に心に強く念じて欲しいんだ。
ずっと、ここに私と一緒に居たい、と。向こうの世界には戻りたくないとね。
そうすれば一生ここで、充分君を可愛がってあげる…。素敵な服を着て、いつまでも君の美しさを
保ってあげるよ…。君は私にとって究極の美の女神なのだからね…、ヒカルくん。」


(30)
大きな手がヒカルの腕ごと上半身を両脇から挟み、ヒカルの返事を促すように力を入れられる。
ヒカルは力なくただ首を横に振り、項垂れる。
「お願い、助けて…」
膝の上にポタポタと涙が落ちた。全身の震えが止まらない。
「返事は?ヒカルくん?」
ヒカルはもう一度首を振る。物凄く怖かったが、男が言う通りに念じる事の方が
恐ろしい結果になるような気がした。
そして微かだが、アキラが今も自分のそばに居てきっと何とかしてくれるような、そんな気がした。
実際アキラは、ヒカルが酷く体を震わせ始めているのを心配して抱きしめ、体のあちこちを摩っていた。
アキラに会いたい。アキラの元に帰りたい、とヒカルは改めて強く思った。
「…そうかい、素直になれないようだね。」
男の両手が背後から救い上げるようにヒカルの腰の部分を持ち上げた。
「ヒッ」
体が宙に浮いて、両足首に下がった重りが相当重量がある事にヒカルは気付いた。
そのまま三角木馬の上に体を運ばれていく。
「や…っ、あっ…、」
男の手が、ぱっくりとヒカルの両足からその付け根を開かせ、尖った頂上の線に添うように
触れさせた。
「うあああ…」
男が両手を下に下げてヒカルの体重を手放すに連れて、ヒカルの股間に、臀部の谷間から
局部の根元にかけて一直線にジワジワと痛みが走る。
自分の体重と重りの分が、その線上に全てかけられていく。
バランスを崩して左右に倒れない男の手が触れるか触れないかの位置でヒカルの体を
維持してはいるものの、苦痛を軽減する手立ては何一つヒカルにはなかった。



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