塔矢邸 26 - 30

(26)
「あ…っ、あ…ああ！？」
後ろを振り返ろうとしたヒカルだったが、アキラに覆いかぶさるようにしていた体勢の
最後尾部分に力がかかって前方につんのめった。
その崩れかけたヒカルの腰を大きな熱のこもった手の平に捉えられ、
再び後方に引き寄せられた時、ヒカルの体内を熱く固いモノが貫いた。
「うわああああああっ！！」
想像していなかった衝撃にヒカルは叫び、アキラの胸に顔を埋めるようにして呻いた。
そうして体を震わせながら自分の肩ごしに振り返ったヒカルが見たものは、
目を血走らせてヒカルの腰にかぶさり、自分自身をヒカルの中に押し込んで
呼吸を荒くしている社だった。
「…社くんはさっきからずっとボク達を見ていたんだよ…。おいでって何度も目で知らせたのに
中々近付いて来なくて…」
アキラがそう言うと、社が荒い吐息で吐き捨てるように言った。
「当たり前やろ、目を覚ましてみたらお前等、こんな…こんな事しとるなんて驚いて、
初めは信じられんかった…」
「…でも君も我慢出来ずに来た。そうだろう？一緒に楽しもう、…社くん。」
２人の交わす会話を、２人の体に挟まった状態で聞いて、ヒカルはアキラが何を言っているのか
理解できなかった。
そして自分が前をアキラに収めたまま後ろを社に貫かれている状態なのだとようやく認識し、
全身をカタカタ震えさせた。

(27)
ついさっきアキラを受け入れ、アキラの体液を含んだヒカルの後門はその延長のようにして
強引な社の侵入を比較的容易に許してしまったのだった。
だがアキラに勝るとも劣らない社の昂りはヒカルの体内でさらに膨れ上がって
ヒカルを押し上げ始めた。
「はっあ、うああっ…！」
ヒカルは苦し気に身を起こし、この状況から逃れようとした。
自分のものか、社のものかアキラのものか分からない心音が体内を駆け巡っていた。
だがアキラが両腕をヒカルの首にまわして抱き着き、ヒカルの行働を制した。
「…ダメだよ、進藤。このまま続けよう…。」
「…冗談…やめろよ…！！」
ヒカルは目を見開いてアキラを見つめた。
「こんな、こんなの、…オレ、…耐えられない…！！」
それでもヒカルを見上げるアキラの表情は変わらなかった。
「大丈夫…怖がらないで、進藤…」
アキラの中でヒカルは覇気を無くしかけていた。するとアキラはヒカル自身をきつく締め付けて
ゆっくり腰を揺らした。
「あ…や、ヤメ…、塔…矢…！！」
アキラから刺激を受けてヒカルの体内が締まったせいか、社も呻いた。
「すげ…進藤の中…気持ちええわ…」
そして連られるようにして社も腰を回すようにして動かし始めた。
「オレ…もう我慢出来ん…！進藤…悪いけどこのままイカせてもらう…」

(28)
そう言って社は腰を引き、押し込む動きを始めた。
「あ、や、だあ…め、やあ、…あっ！！」
社が腰を押し込むとその分ヒカル自身がアキラを深く貫き、その都度アキラも吐息を漏らした。
社はヒカルを責めながらアキラも抱いているような錯角になり、さらに興奮の度合いを深めた。
それがそのまま質量となってヒカルを追い詰めて行く。
「はっ、う、う…んっ！」
固く目を閉じて衝撃に耐えるヒカルの睫毛の隙間から涙が滲み出る。
それでもアキラはヒカルを逃さまいとして社に突き上げられる動きに腰の位置を合わせた。
「ひっ…、う、うう…ん、…ふっ」
我を忘れたように夢中でを突き抜きを繰り返して来る社と、ヒカル自身に絡み付くような
アキラの内壁の感触に揺さぶられてヒカルの喉から声にならない声と吐息が漏れ続けた。
「はあ、あ、ひあっ、ああっ………っ！！」
ヒカルの意識は途切れ、体に力が入らなくなった。
社の動きが激しくなり、獣のような熱い呼気が彼が頂上に迫った事を示した。
より強い社の吐息が漏れたと思った時、ヒカルの内部で熱いものが弾ける感触が走った。
それを受けて少し遅れてヒカルの内部にも電流が走った。
「あ、あ、あ、…あー…っ」
「ああっ、進藤、熱い…」
ヒカルの頭を抱え込むようにしてアキラの腕に力が入り、アキラも腰の動きを速めた。
ヒカルの両手は何かを放棄したようにアキラの体の両脇に投げ出されていた。
そのままヒカルはアキラの中に体液を放ち、びくんびくんと四肢を痙攣させた。

(29)
ヒカルはほとんど気を失いそうだった。
だが、社は物足りなさそうに体を起こすとぐったりしたヒカルの体も一緒に起こし、
アキラから引き剥がした。
「ヤ…アッッ…」
軽々とヒカルの体は胡座をかいた社の上に置かれた。
社は自分の膝の間にヒカルを座らせるようにしてヒカルの両膝の下に手を入れて
自分自身の上にヒカルの腰を深く沈めさせた。
「う、あああっ！！」
社のはまだ少しも勢力を衰えさせておらず、そのままヒカルの体を上下させて
抜き差しを始めた。
まだ強く射精の余韻が残っている状態で結合を解かれずさらに刺激を与えられて
ヒカルは悲鳴をあげ、アキラに助けを求めるように手を伸ばした。
だがアキラは社にヒカルを奪われた事に腹を立てる様子もなく、
体を起こすとしばらくじっと社に責め立てられるヒカルを見つめていた。
そしてちろりと舌で自分の唇を舐めると、ゆっくりと四つん這いでヒカル達に近寄り、
社の肉体とヒカルが結合している部分に顔を寄せた。
「塔矢、…ダメッ…！！」
まだアキラに飲まされた物の影響が残っているためか、ヒカル自身も、そのすぐ後ろに社の
固い楔を深々と呑み込んでは吐き出しながら固さを維持し、
腰を動かされる度に上下に揺れて先端からは新たな雫を滲ませ飛び散らせていた。
アキラはヒカルのその先端をそっと指で捕らえると唇で包んだ。
頭上でヒカルの泣き声に近い叫び声が上がった。

(30)
「うっ、…う…、んー…んー…」
ほとんど半泣きのヒカルの声が断続的に漏れる。
社の腰の上に座して深々と体を貫かれ、揺らされてなおかつ前をアキラの舌と喉の奥に
捉えられて、ヒカルは気を失いそうだった。
精を放ったばかりのヒカル自身は限界を超えた刺激にそれでも反応し、
下腹部の奥の筋肉が投げる球を失ったピッチングマシーンのようにただ収縮と痙攣を
繰り返す。
そして僅かばかりににじみ出る果汁をアキラは一滴も逃さぬように舐め取っていく。
ただ社の方もヒカルの体を抱えるのに限界を感じたのか、力が抜けて全体重を
社に預けるようになったヒカルの重みで次第に後ろに倒れる形になった。
結合しあった２人の股間の上にアキラが覆いかぶさるようになり、
今度はそれまで社が抱えていたヒカルの膝をアキラが抱え、ヒカルの局部への
愛撫を続ける。
すると、畳の上に完全に寝た状態でヒカルの体を抱える必要がなくなった
社の両手が、ヒカルの胸を弄り始めた。
「はっ、いや…あっ」
社の両手がヒカルの胸を軽く撫で、指先で両の突起を摘み、ゆっくりと揉みしだく。
「あ…あ、くはあっ…っ、」
なだらかな平面に微かに存在していただけのその箇所は社の指先でこねられると
瞬時にぷっくりと膨らみくっきりと立ち上がった。