無題 第2部 27
(27) 「あなたの、せいだ。寂しいなんて言葉、ボクは知らなかった。 一人が嫌だなんて、誰かに傍にいて欲しいなんて、思った事、無かった。それなのに…」 流れる涙を拭おうともせず、アキラは緒方を正面からみつめた。 「アキラ…、オレが憎いか?」 椅子に座ったままの緒方がアキラを見上げて尋ねた。 アキラは驚いたように目を見開いて、それからゆっくりと首をふった。 「オレのした事を、怒ってるか…?」 それから目を伏せて、また小さく首をふった。 「…わからない…」