白と黒の宴2 27


(27)
自分だって社と同じ事をしていると思った。
あの場でヒカルの衣服を剥いでめちゃくちゃにしてやりたいという衝動にかられていた。
自分の体に数多く残された社の刻印と同じものをヒカルの全身に刻みたかった。
ヒカルの刻印が欲しかった。
ヒカルは自分のものであり、自分はヒカルのものであると周囲に言ってまわりたかった。
昨日社に抱かれた余熱が、まだ体の奥深くに残されているせいだ。
やはり今日の対局の事がどこかで頭の中に引っ掛かっていたのか、社にしては早めに行為を
切り上げたところがあった。行き着くところまで行き着かないまま終わったような感じだった。
それは社の作戦でもあったのかもしれない。
外の空気を吸って頭を冷やそうと思った。
そのまま角を曲がって階段で下に下りようとしたアキラは、そこに人影がある事に気付いた。
紫煙を纏い壁にもたれ掛かるようにしてその相手は立っていた。

「…ずいぶん大胆な振る舞いをするようになったものだな、アキラくん。」

その相手を驚いたように見つめ、そしてアキラは唇を噛んだ。
よりによって、なぜこんな時にこの人に会ってしまったのか。
あんな場面をこの人に見られてしまったのか。
今アキラは体中の血が沸き立ち逆流するような状態だったが、その相手を前にして、
さらに体熱が高まっていくようだった。



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