sai包囲網・中一の夏編 27


(27)
「次は?」
「3の、二間ビラキ」
 時折涙を拭いながら人形のように石を置く場所を示す進藤を哀れだと
思ったけれど、それ以上に身の内に感じる快感に、ボクは酔った。
 大事な尸童(よりまし)を好きなように犯された怒りからか、sai
の一手一手が容赦がなかった。結果は、ボクの中押し負け。ネット碁で
対戦したときよりも更に厚く高い壁となってボクの手は封じ込められた。
「進藤」
 心躍る対局に気持ちが昂揚するのを押さえられないボクとは反対に、
進藤はどこかうつろな瞳で俯いたままだ。今の彼には盤上の石も見えて
いないかのようだ。
 終局を向かえてもなお燻り続ける熱をどうすればいいか。その答えは
簡単だった。
 ボクは進藤にゆっくりと近づき、その小さな身体をもう一度ソファー
の上に抱き倒した。



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