初めての体験+Aside 27
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「あ!カレーじゃん!今日、カレーはヤダって言ったのに…」
文句を言う倉田に、ヒカルは「べー」と、舌を出した。可愛い。自分もアカンベをされて
みたい。
倉田がブツブツと言いながら、カレーを口に入れた瞬間、「くぁ!」と一声叫んで昏倒した。
ヒカルは大きな目を見開いて、キョトンとしている。
「…どうしたの?倉田さん?」
「進藤のカレーがおいしいから、感激したんだよ。」
アキラが怖いくらい優しい笑顔で答えた。だが、社は知っていた。倉田が倒れたその理由を…。
カレーが完成し、ヒカルが食卓を整えに行くのと入れ替わりにアキラがやって来た。
何かされるのではとビクつく社に、にこやかにアキラは言った。
「社、ボクが盛りつけをするよ。」
逆らうのも怖いのでアキラの好きなようにさせることにした。三枚の皿には普通にカレーを
盛りつけた。それより一回り大きな皿に白飯を大盛りにし、その上にタバスコを一瓶全部
振り掛けた。そして、その上から、カレーをかけてタバスコの色をごまかしたのだ。
絶句する社に、アキラはニコリと微笑みかけた。その瞬間、社はアキラの共犯者になった。
『ちゃう…!好きでなったんやない!そやけど…逆らったらオレがやられる…!』
社の胸中も知らず、アキラは涼しい顔で食事を続けていた。
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