誘惑 第三部 28


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いつの間にか下半身に降りてきていた手がヒカルに触れた。撫でるようにそっと触れられただけ
なのに身体中にびりびりと電流が走ったような衝撃を感じた。
「や、やあぁっ…!」
優しく、愛おしげに撫でる、その柔らかな刺激に耐え切れない。
「や…ダメ…も……あ、…あ、ああぁ…っ…」
耐え切れずに身を震わせながら、ヒカルは優しい手の中に放ってしまう。と同時に、身体の奥に
断続的な熱い迸りを感じて、更に身をよじらす。膝がかくかくと震えて、いつの間にか自分が高く
腰をかかげ上げていたことに気付く。
背後から回された腕が抱きかかえるように優しくヒカルの身体を下ろしていく。
首筋にかかる荒い息と、背に押し付けられた熱い体温を感じて、ヒカルは大きな息をついた。
耳元で声にならない声が自分の名を囁く。その声と、重なり合う身体の重みと、確かな鼓動が
心地良くて、ヒカルはそのまま朦朧とした意識の中に吸い込まれていった。



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