失着点・展界編 28
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疲労しきった身体に、その衝撃はかなりこたえた。
緒方は別の脱脂綿にもう一度アルコールを含ませ、先にあてがったものを
取り払い、二度目の忍耐をヒカルに強いた。
それから緒方はチューブに入った塗り薬を指に取り、その部分に塗布した。
さっきまでの苦痛に比べればその治療行為は幾らかヒカルをホッとさせた。
膨れ上がった狭門とその周辺に作業的に万遍なく薬が行き渡って行く。
アキラと別れ、それからこれまでに和谷、伊角、緒方の3人の男に自分の
秘部を曝し、あるいは触れらていれる。
「…へへっ、ザマアねえなあ、オレ…」
自嘲的に笑みを浮かべてヒカルはつぶやいた。
「これに懲りたら、二度とくだらない火遊びはしない事だな。子供なら子供に
ふさわしい恋愛ごっこがあるだろう。」
さっきからやたらと繰り返される緒方の「子供」という発言に、ヒカルは
ムッとなった。そうとは知らず、緒方は薬を塗り終えるとヒカルの体の下に
なっているベッドカバーを引っ張り出し、ヒカルに掛け布団の中に入るよう
促してきた。だがヒカルは反発するように緒方を睨んだまま動かなかった。
「…どうした?」
「…何にもわかっていねえくせに、エラそうに言うなよ…」
アキラとの事まで、緒方にたしなめられたような気がしたのだ。アキラとの
事は本気なのだ。そういう気持ちや行為には大人も子供もないはずだ。
「子供に子供と言って何が悪い。…もう1発殴られたいのか。」
顔を寄せて緒方が睨み返して来た。ヒカルも意地になっていた。
「…これでも子供だと思う…?」
ヒカルは緒方の首に腕をまわすと、緒方の唇に自分の唇を寄せて行った。
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