社妄想(仮) 28


(28)
「っ、塔矢……苦しい、よぉ……っ」
懇願するヒカルの眦から純粋で綺麗なはずの涙が零れ、頬の曲線を辿って、やがて地に落ちる。
「進藤……」
苦しむヒカルをこれ以上放置しておく訳にはいかない。
アキラは熱く猛った己自身をヒカルにあてがうと、一気に最奥まで貫いた。
「──っ、ああっ……!」
華奢な身体が震え、既に散々焦らされ快楽の極みへと昇りかけていた欲望の徴は、
溜まりきった熱を解放した。
地面に爪を立てていた手にも、がくがくと震えていた腕からも一切の力が失われ、
堪えきれずに肱が崩れ落ちた。
躰を蝕む熱に、ヒカルは荒い呼吸を繰り返しながら震えを落ち着けようとした。
だが、挿入の際に達した衝撃が尾を引き、ジンジンと身体を苛んで、楔を感じれば感じる程
震えは止らなくなる。
「っ! ひ、……や…っ……やだ、ぁ……っ」
アキラが軽く腰を揺すると、ヒカルは泣き声とも紛うような細い悲鳴を上げる。
頚を打ち振って啼くヒカルを、アキラは複雑な思いで見つめていた。
「進藤……」
腰を強く打ち付けながら、ヒカルを呼ぶ。
「進藤、…進藤、……進藤……っ」
敏感な場所を擦りながら奥まで突いては、入口付近まで一気に引き抜き、そしてまた最奥まで貫く。
ヒカルは過ぎる快楽に己を見失ったかのように、咽び泣いていた。
死んでしまう、ヒカルはそう思った。
自分は、神経系がどこか狂ってしまったのかも知れない。
与えられる感覚全てが甘く切ない疼きにかわって全身を支配する。
体内を駆け巡る熱は上限を知らないかのようにどこまでも加熱していく。
内側を突き上げながら胸元を弄ばれて、敏感になり過ぎた肌が悲鳴を上げた。
感覚は深く鋭く、鮮やかで、一箇所から生まれるそれはすぐに全身に伝染した。
その過ぎた快楽は、もはや苦痛といっても相違なかった。



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