痴漢電車 28 - 30
(28)
アキラはヒカルの尻を犯しながら、幼いペニスに指を絡ませた。今度は二人で一緒に
果てたいと思っていた。
アキラが腰を打つたびに、ヒカルのソレは切なく震え、先端から密を溢れさせた。
「ン…ンァァ…もう…ヤダ…」
ヒカルが激しく首を振る。涙が散った。
手の中のヒカルはもう爆発寸前だった。そして、ヒカルの中に納めている自分自身も……。
ヒカルが白いマグマを吹き上げる瞬間が見たい……………
だが、そうなれば、自分もヒカルもただではすまないだろう。後々のことを考えると、それは
諦めた方が良さそうだ。頭も身体も興奮の極致に達しているのに、どうして、こう現実的
なのだろうか。思考の一部が妙に冷静なのは、日常的な空間で非日常的な行為をしていることに
対する警戒心を抱いているのだろうか。
途中何度か、駅に止まったが、幸い、乗客は乗っては来なかった。いや、例え、乗ってきたとしても
アキラは行為を途中でやめたりはしなかっただろう。
『セーラー服姿の進藤を電車の中で抱いている………』
どう考えても日常生活からはかけ離れている。しかし、これが夢でも現実でもヒカルを手放す
つもりはなかった。
「ア、ア、ァ、もうイク………イッちゃうよぉ………」
ヒカルの声が一際高くなった。
アキラは自分自身に意識を集中させながらも、ヒカル自身をスカートで包み込み、
布ごと思い切り擦り上げた。
「ヒァァ………」
「く……ハァ……」
スカートにじんわりとシミが広がっていく。アキラが身体を引くと、ヒカルはコトリと
座席の上に倒れ込んだ。
(29)
軽く頬をはたかれて、ヒカルは目を覚ました。
「進藤?大丈夫?終点だよ………」
起きあがろうとしたが、全身から力が抜けてしまっている。
アキラが、身体を支えて起こしてくれた。 体中あちこち痛む。ヒカルは顔を顰めた。
「痛い………」
ヒカルが気を失っている間に、アキラはどうやら身体を拭いてくれたらしい。下着もちゃんと
身につけていたし、その上ハンカチまであてがわれているようだった。
「まだ、残っているかもしれないから………」
そう言われた時、ヒカルの目から涙が零れた。大粒の涙をボロボロ零すヒカルに、アキラが
狼狽えた。
ヒカルは、電車に乗ってから自分の身の上に起きたことが、まだ信じられなかった。
女の子の格好をさせられて、女の子みたいにアキラに抱かれて……………情けない。
―――――みんなアイツらが悪いんだ………!
「…………キ……キライだ……オマエなんか……キライだ………」
「進藤………ゴメン…ゴメンね……」
「キライだ……オマエも……門脇さんも…みんな…大キライだ…………」
ヒカルはしゃくり上げながら、何度も「キライ」と繰り返した。
ヒカルは暫くシクシクと泣き続けていたが、手の甲で涙をゴシゴシと拭い、突然帰ると言い出した。
「………え?でも…その格好で?」
アキラの言葉にヒカルは改めて自分の姿を確かめた。
セーラー服の脇は胸まで裂けて、乳首が見えている。スカートもヒカルの出したもので
ドロドロだし、プリーツも何もない。本当に、見るも無惨な有様だ。
「どうしよう……これじゃ家にも、和谷のところにも帰れネエよ………」
ヒカルはまた泣いてしまった。
(30)
泣きじゃくるヒカルにアキラが困ったように、話しかけてきた。
「ボクのところに来る?」
「…………ヤダ………」
にべもなく断るヒカルにアキラが苦笑する。
「大丈夫。もう、何もしないよ。第一、その格好じゃ帰れないだろ?」
誰のせいだと思っているのだ。そう言いたい。だけど…………
「塔矢先生とかに見られるのヤダ…………」
「お父さんとお母さんはまた、中国に行ってるよ。」
「…………誰もいないの?」
アキラは黙って頷いた。誰もいないなら、却って危険なような気がする。ヒカルの心は矛盾だらけだ。
迷っているヒカルに、ダメ押しとばかり言った。
「お腹空いてるだろ?家に頂き物のケーキもあるよ。」
ヒカルは少しカチンと来た。食べ物で釣れると思っているのか!?でも、ヒカルを心配そうに
見つめる瞳にドキンと胸が鳴った。
『どうしたんだよ………』
意識したらますますドキドキしてきた。
「来る?」
ヒカルは小さく頷いた。
別にケーキに釣られたワケじゃない。確かに、お腹は減っていたけれど………。ただ、
体中が痛くてだるいし、頭もフラフラだし、お風呂に入りたいし、この格好じゃ帰れないし…………
それだけだ。
アキラがジャケットを脱いで、ヒカルに掛けてくれた。ジャケットは自分には大きかったが、
スカートの汚れた部分がギリギリ隠れて、パッと見にはわからない。ヒカルはホッと息を
吐いた。
「じゃあ、行こうか。」
「どこに?このまま乗って帰るんじゃないの?」
電車は終点から折り返し運転になる。そのまま乗って、いれば元の駅に着くのだ。
「タクシーで帰ろう。」
「え?でも、オレ、お金持ってない………」
ヒカルが小さな声でそう言うと、アキラは笑って「ボクが持っている」と言った。
アキラが手を差し出す。ヒカルは、グズグズと鼻をすすりながら、その手を取った。
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