少年王アキラ 29


(29)
船は金沢競馬場の駐車場に停泊中だ。アキラ王一行が降り立つと周囲で待ちかまえて
いた群衆が殺到する。少年王であり、万馬券ハンターでもあるアキラ王には熱狂的な
ファンが多いのだ。SPに守られつつ前進するアキラ王。が、1人の男がSPの手を
かいくぐりアキラ王の白いタイツに包まれたすらりと伸びたおみ足に触れようとした。
「無礼者!」
その瞬間、王の鞭が美しい弧を描いた。ビシリという音と共に自分の手を押さえる男。
しかし、その表情はやけに嬉しそうだ。
「や〜、アキラ王に鞭打たれちゃったよ!」
「…なんだよ、また広瀬さんかよぉ」
「今日こそ俺が…って狙ってたのになぁ!」
周りからその男へと羨望の声が上がる。異様な盛り上がりをみせる集団に、アキラ王は
戸惑ったような視線を投げかける。
「オガタン、この者達はなにを騒いでいるのだ?」
「…我が王の華麗なる鞭捌きの恩恵を授かり感激しているのです」
巷でまことしやかに囁かれている『競馬場に到着後の王に最初に鞭打たれた者は万馬券に
ありつける』という都市伝説を、アキラ王は知らない…。
そんな一行の前に少年帝國大使館金沢支部駐在・イチリュー大使が走り寄る。
(少年帝國大使館は全国の競馬場設置都市には、必ず支部を設けているのだ)
「お待ちしておりました。ささ、こちらへ…」
一行はイチリューの先導で一般には公表されていない、ワンフロアぶち抜きの王室専用
観覧室―ロイヤルルームへと案内された。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル