初めての体験+Aside 29
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風呂から上がって、部屋に戻った社を見て、
「もう出たんだ?ここの風呂でかいだろ?」
と、無邪気にヒカルは笑いかけた。
「じゃあ、ボク達も入ろうか。」
アキラは立ち上がって、狼狽えるヒカルを引っ張って行った。
「え……あの…塔矢…ちょっと…やだ…」
ヒカルの声は段々遠ざかって行った。
それが目的やったんか――――――――――――――――――――――――――!!!
社はガクリと膝をついた。今頃、風呂場ではどんなことが行われているのだろう…。
昨日、台所で見たような行為が行われているのだろうか?社の妄想はどんどん膨らんでいく。
ついでに、別の部分も膨らみ始めた。あああ、オレってヤツは…。アキラに陵辱される
ヒカルを思い出して悲しむより先に興奮するなんて…。(注:アキラが同じようなことを
考えた過去があることを社は知らない…)
悶々とした気持ちを抱えて、社は二人を待った。
「さっぱりしたぁ。」
ヒカルの元気な声が聞こえた。と、同時にヒカルが障子を開けて、入ってきた。アキラも
ヒカルの後に続く。
「…でもさぁ…あんなだったら、三人で入ってもよかったじゃん…」
と、ヒカルはアキラに言った。
「…あんなって、どんな?ほかに、なにかあるの?」
アキラが笑いを含んだ声でヒカルに問い返した。ヒカルは、顔を真っ赤にして口ごもった。
「な、な、な何にもねえよ!!」
ヒカルはプイッと横を向いた。そして、「塔矢…意地悪だ…」と、呟いた。
社は嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだった。どうやら、二人は普通に入浴を
していたらしい。だが、ヒカルはアキラと入ることに多少の期待を持っていたようだった。
『やっぱ、一番は塔矢か…。知っとったけど…切ないわ…』
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