昼下がりの遊戯 29 - 30
(29)
進藤ヒカル……細い細いとよく言われるとはいえ、
れっきとした男子高校生である。
その渾身の力で殴り飛ばされた塔矢アキラは
そりゃあ、みごとに2メートル程もすっとんだ。
そして、すっとんだ先には冷蔵庫。
ごつんと固い音がしてアキラは倒れたまま動かない。
「と、塔矢……」
さしものヒカルもちょっとまずいことになったかと倒れたままのアキラの顔をのぞき込む。
「おい……!塔……」
その瞬間、ヒカルはその言葉の先をアキラの唇に奪われた。
「ん……う……」
しばらく、ヒカルの舌の感触を堪能したあと、アキラはわずかに唇を放して言った。
「痛かった」
「わりぃ……」
「ぶつかった瞬間に星がちって、このまま気を失うかと思った」
「悪かったよ」
「まだ頭がずきずきする。後遺症でバカになるかも」
「だーかーらー、謝ってるだろうが!!」
「そう、じゃあ、君が本当に悪いと思ってるなら」
アキラの瞳にイタズラめいた光りが戻った。
「ぼくが持って来た、あれ、使って」
アキラが、床に散らばった、ファンシーな形のバイブレーターを指さした。
「あれを使って、君が昨日、僕の夢の中でやってたことをその通りに再現してくれるなら、
許してもいい。」
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「ば…!それとこれとは話がちがうだろ!」
ヒカルは、ぷいっとそっぽを向いた。顔を赤くして、むくれている。
『かわいいな…進藤』アキラが悪戯っぽく笑った。
アキラの手が、いきなりヒカルの腰をぐいっと自分の方に引き寄せた。
ヒカルは、アキラの上に倒れ込んだ。
「もう…!離せよ!おこってんだぞ、オレ!」
ヒカルはアキラの腕の中で、ジタバタと暴れたが、アキラは涼しい顔でますます腕に力を
込めてくる。
「うわっ」
突然、ヒカルは素っ頓狂な声を上げた。
アキラがヒカルの胸の突起をペロっと舐めたのだ。そのまま甘噛みをして、刺激を与える。
「あ…あぁん…はぁ……」
アキラはヒカルの乳首を吸いながら、右手でヒカルの腰から尻臀を撫でさすった。
ヒカルはアキラから逃れようとしたが、アキラの左手がそれを許してはくれなかった。
右手は尻の奥へと這っていき、遂に、後ろの入り口へと辿り着いた。
「あ…」
ヒカルの体が微かに震えた。アキラの指がヒカルの中へ侵入したのだ。先ほど迄、
他の物で快感を紡いでいた場所は、簡単に指を招き入れた。
「あ…はぁん…と…おやぁ…やだ…」
「ねえ…進藤…気持ちいい?でも、指じゃ物足りないよね?」
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