Birtday Night 3


(3)
と、ピンポーン。突然、鳴り響いたチャイムの音。
「…?」
こんな夜更けに誰だろう。
今日は来客の予定はない。
玄関へ行くと、引き戸の向こうに人影が見えた。
「…あの、どなたですか」
訝しんで声をかけると、
「オレだよ、塔矢。さみぃー。早く開けてくれよ」
聞き覚えのある声が返ってきた。
「…進藤!?」
驚いて、玄関を慌てて開けると、思った通りの彼がいた。
「――」
一瞬、言葉を失ったボクに、
「もうマジ寒いって。雪だるまになるかと思ったぜ」
進藤の頭やコートに雪が積もっている。
「もうヒデーんだぜ。駅のタクシー乗り場、人はいっぱい並んでんのに、
タクシー1台もいないしさ。待ってたらいつになるか分かんねぇから…」
「――駅から歩いてきたのか」
「ああ。もう風が冷たいの何のって」
言いながら、身体についた雪を払う。
そんな思いをしてまで、どうしてボクの家に…?



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